そして、ギターの印象的なフレーズから始まったのは『Why?(Keep Your Head Down)』。イベントも含めると東方神起の楽曲では一番パフォーマンスされている曲じゃないかと思うのだが、イントロが鳴った瞬間、鳥肌が立つ。何度も観ているからこそ、今の東方神起が見えてくる曲でもあり、今まさに脂の乗った彼らだからこそのパフォーマンスで魅せる。迸る汗をものともせず、すべての力を注ぎこむような全身全霊のダンスに、力強いまなざしを湛えた表情、かすれてしまう限界値まで振り切ったチャンミンのシャウト――すべての瞬間が名場面となり、大きな余韻を残して本編が終わった。

観客の起こす特大の「東方神起コール」から再開したアンコールは、15周年ならではの懐かしの1曲からスタート。まさかの日本デビュー曲『Stay With Me Tonight』だ。トロッコに乗って、観客の顔を近くで見ながら歌う2人。チャンミンがこのあとのMCでこの曲を知らない人と聞いて観客の手があまり上がらないと「正直な人が少ない……世の中騙し合い」とぼやいていたように、当時の彼らの韓国での人気を考えると輝かしい結果を残すには至らなかったが、今、こうやって華々しい活躍をする2人が歌うことで、改めてスポットが当たるのは、当時から応援してきたファンにとっても、当時を知らないファンにとっても嬉しいこと。続けて、アンコールに相応しい盛り上がる楽曲、『Trigger』『Survivor』ほかをメドレーで届けた。

MCを挟んで、観客と共に歌い踊った『Somebody To Love』を披露すると、「最後は一緒に歌ってくれますよね」(チャンミン)と呼びかけた、アルバム『XV』のラストも飾った『Pay it forward』でライブを締めくくる。途中、会場をユンホチームとチャンミンチームに分けてのコール&レスポンスを行うと、「予想より声が小さくて。ここままじゃ帰れませんよ……いや帰したい!(笑)」と、チャンミンらしいウイットに富んだ煽りも入れながら、会場を一つにしていく。最後には観客の特大のコーラスも入り、全員が笑顔でエンディングを迎えた。