早寝の最大の敵はイクメンパパ!?
――ここからは、「早寝を心がけているけれどできない」という人がどういう問題を抱えているのか、その解決法を教えていただきたいと思います。一番多い問題は何でしょうか?
清水:まずは、旦那さんの帰宅時間とお風呂の問題ですね。お父さんが子どもを自分でお風呂に入れたい、でも早く帰れるわけではない、というケースです。
お風呂に入れるのが夜8~9時だと、寝る時間はどうしても夜10時過ぎになってしまいますよね。
――パパのお風呂問題で内心困っている方は多いですか?
清水:多いですね(笑)。お父さんがお風呂を担当すると、お母さんが一人でゆっくり入れるなど利点もたくさんあるのですけれど。
体温にも一日のリズムがあって、体の中の深部体温が下がると眠気を感じます。お風呂に入る時間が遅くなると、その体のリズムが崩れてしまうんです。
だいたい夜7時頃には入れて、30分~1時間くらいかけて体温が下がり眠くなる、というのが理想です。
週に1回か2回、早く帰ってこられる“パパがお風呂に入れる日”を作って、夜6~7時にお風呂に入れてあげるのはすごくいいことだと思います。
――お父さんにも、子どもの遅寝の問題について知ってもらう必要がありますね。
清水:そうなんです。お風呂だけでなく、夜お父さんが帰ってくると遊んでくれると思って目が覚めてしまう、という悩みも聞きます。
とくに注意欠陥・多動性障害(ADHD)のあるお子さんは、にぎやかな音がしたりお父さんが起きていると気になって眠れないことも多いです。睡眠って、すごく集中力のいる活動なんです。
夜は、子どもが期待しないように“静かなお父さん”に徹してもらうのがいいと思います。反対に、子どもの目を覚ますのにはお父さんとの遊びは非常にいいので、ぜひ朝遊んであげてほしいですね。
見過ごせない、眠気と光の問題
――テレビとの付き合い方はどう考えたらいいでしょうか。
清水:講座では「テレビは寝る30分~1時間前には消しましょう」と言っています。
よく言われるのが、スマホやパソコンも含め、画面のブルーライトの影響ですね。ブルーライトの光が、眠気を起こすメラトニンというホルモンの分泌を阻害すると言われています。
眠気を起こさないようにしてしまうことが寝つきにかかわってくるんですね。
――ホルモンはすごく体に影響するんですね。
清水:そうですね。とくにメラトニンは睡眠をコントロールするホルモンなので、寝つきの悪いお子さんの場合、とくに光環境を気をつけてあげたいですね。
白色蛍光灯の下で夕方3時間くらい過ごしていると眠気が起こりにくくなる、という話もあります。
乳児期の赤ちゃんはとくに、上を向いて寝ていて天井のあかりを直視する形になりがちです。真上の照明は消してあげた方が寝つきはよくなりますね。
幼児期でも寝つきが悪い場合は、リビングダイニングがつながってるのであればリビングのあかりは消してダイニングの明かりだけで過ごしたり、特に夕方は白色蛍光灯ではなくオレンジ系の少し薄暗いあかりで過ごす、といった工夫をしたいですね。