(3) これが出来るようになったら、“1分”を指して『これは何分かな?』とクイズを出してください。そして4分、10分、17分、24分といろんな問題を出しましょう。

(4) 次に、分解をしていない長針と、短針がちゃんと付いている時計で同じように聞いてみてください。その時、「長い針だけ見てね」と、注目する部分を教えましょう。

〇時〇分を教える

次に「何時何分ですか」を教えます。

子どもの関心が高い「3時」からスタートして、「3時1分、2分」と示して言わせましょう。「3時を過ぎているから3時1分だ」ということは自然とわかるようになってきます。

1時47分など、ほぼ2時に見える時刻ですと最初は混乱しますので、できるだけスタートした時刻に近い分で行ってください。

数字だけのデジタル時計は、やめましょう

体温計もピッピッ!体重計もピッピッ!キッチンスケールも物を置いたら数字がピッピッと鳴るデジタルタイプが主流です。

でも時計だけは、「9:00」のように数字だけが書いてあるデジタル時計はやめて、針のついたアナログ時計を準備しましょう。

どうしてかと言うと、数字だけですと時間経過が目で見てわからないからです。

授業で子ども達に目をつぶらせて「1分たったら手を挙げましょう」と実験するとどうなるでしょう?

時間が体の感覚で分かっている子どもはほぼ正確に手を挙げますが、時間を意識していない生活を送っている子どもは10秒で手を挙げたり、反対にずっと目をつむったままです。

また、算数の文章題で“8時40分に家を出ました。30分後に学校に到着しました。到着時刻は何時何分でしょう”といったものがありますが、頭の中で針を動かす生活習慣がある子どもは、さっと答えられます。

でも、頭の中で時計を想像して針を動かせない子はチンプンカンプンです。ですから、教科書では時間経過を筆算で教える単元まであります。

しかし、時計は十進法でなく六十進法、「60で繰り上がる」というところでまた躓き、八方ふさがりになったりします。

時計が読めることは、時刻を言えることではなく、時間経過が体の感覚でわかることです。それには針のついた時計でなければダメなんですね。

いつまで子どもを朝起こしますか

子どもをいつまで親が起こしますか?

5歳くらいからは自分で起きる習慣を付けましょう。

好きなキャラクター付きの針のついた時計をプレゼントして「これを使って、明日から一人で起きようね」と言いましょう。

親も朝食の準備や洗濯などで忙しい時間に、家事を中断して起こす手間も省けますよ。

小学校に入学後、毎朝、親に起こされることもなく、自分で歯磨き、洗顔、朝食、トイレ、自分はどれくらい時間がかかるか考えて行動できる子どもに成長します。

中学生になっても高校生になっても親から叩き起こされ、親元を離れて一人暮らしを始めても、実家の過保護な親からモーニングコールしてもらうような“ちょっと恥ずかしい大人”にならないためにも、自分で起きる習慣を時計を利用して、入学前にはつけてしまいましょう。

まとめ

時計が読めるようになると、「自分たちの生活は時間の流れの上で動いているんだ」ということがより明確にわかります。

時計を生活に取り入れるだけで、たくさんのメリットがありますよ。ぜひ、試してみてくださいね。