退院後に待っているママの生活
一方ママはというと、黙っていても食事が出てきて、シーツを替えてくれて、赤ちゃんの沐浴までしてくれて上げ膳据え膳だった産院生活。
ところが、家に帰ってからは大変な日常になります。そのため実家にしばらく帰省する選択をする人も多いですよね。
でも、みんながみんなそんな贅沢な環境にあるわけではなく、いきなり自宅に直行する人もいます。
また、実家にいても数ヶ月すれば自宅に戻ります。病院や実家にいた頃は、赤ちゃんだけの世話をしていればよかったわけですが、家族の食事や掃除、洗濯、そこへ赤ちゃんのオムツ替え、夜間の授乳。
更に上の子まで、赤ちゃん返りしてしまうとママの忙しさはピークに達します。
すると、ついイライラしてこんなことを口走ってしまいます。
「もう、お兄ちゃん(お姉ちゃん)になったんだから、ちゃんとしなさい!」
「ママは赤ちゃんの世話で忙しいんだから、いい加減にしなさい!」
でも、ちょっと待ってくださいね。
こんなことを言われたら、上の子はどう感じるでしょう?
自分に関心を寄せてもらえず、寂しい思いをしているところへダブルパンチ!“傷口に塩や唐辛子を塗られた状態”になります。
弟や妹を可愛がるよりむしろ、下の子に対して「王座の場を奪ったやつ」と思うようになることもあるのです。
上の子の“赤ちゃん返り”
こうなると、上の子はママに好かれようと良い子にしているどころか、180度反対の行動に出ます。
「叱られてもいいから、ママの関心を自分だけに引きたい」。そんな思いで、わざと下の子の世話を中断させることを、あれこれ頭を捻ってやってみます。これが赤ちゃん返りです。
赤ちゃん返りの例
- 授乳のとき自分も一緒になってほしがる。
- 一人で着替えたり靴を履けるのに、「出来ない!出来ない!ママがやって!」と大騒ぎする。
- わざとおしっこをもらす。
- 食事中、「自分では食べられないから食べさせて」と要求する。
- わざと食べ物や飲み物をこぼしたりする。
- 眠い、痒い、痛いと大騒ぎする。
つまり、ママが叱ったり怒鳴ったりしても“そうしてもらうこと”が上の子の目的なのですから、“親が注意をすること=自分に関心を向けてもらうこと”となり、子どもの思うツボなのです。
お兄ちゃん、お姉ちゃんらしくするように言い聞かせても、それで構ってもらえるわけではありませんから、なかなかうまくはいかず悪循環に陥ります。