親の都合
時間には制限があります。でも、まだ生まれて数年の子どもにはそれが理解できません。
そして、その制限時間はだいたい親の都合だったりします。
例えば、子どもは「まだお腹が空いていない、だから玩具で遊んでいたい」。けれどもママは「夕飯をさっさと食べてくれないと、洗い物をする時間が遅れ、風呂に入れる時間も押し押しになり・・・」といった感じです。
ところで、ママだって家事をしているとき、子どもから「ママこれ読んで」と絵本を持ってこられたら、「ちょっと待ってて」と断っていませんか?
これと同じで、ママが急かしても子どもは「ちょっと待ってて、まだ遊んでいる最中だから・・・もう少し遊んでお腹が空いてから、ゆっくりと食事を楽しみたい」なんて思っているかもしれません。
そして心の中では「勝手なことを言い出すママだ」と、考えているかもしれません。親子の間に意見の相違が起こる訳です。
どうすればよいのか
子育てはのんびり、ゆっくり楽しみたいですが、その日その日の時間制限がありますから、そうはいきません。先々の押し迫ったスケジュールをこなすため、子どもに行動させたいのならば、次のように言ってみましょう。
理由を伝える
例えば「○時に○○ちゃんの家に行くと約束をしている。いつまでもテレビを見ていては困る」など、生きていく上では時間を守らなくてはならないことが度々起こります。“時間厳守”のマナーも、躾として教えていかなくてはなりません。
そういうときは、子ども相手であっても“早くしなくてはならない理由”をきちんと説明しましょう。
例えばこんな感じです。
「○時に○○ちゃんのお家に行く、と約束しているの。そろそろ準備しないと遅れちゃって、お友達が悲しくなるよ」
「そろそろ着替えないと、スクールバスがきちゃうよ。乗り遅れたら、幼稚園まで歩いて行かなくてはならなくなるよ。そして、部屋に入るのが遅れると、紙芝居の時間が終わっちゃうよ」
具体的な時間を伝える
「はやく」ってよく考えてみるととても曖昧な言葉です。
「何時までに終えなくてならないのか」「何分間の間に片づけなくてはならないのか」がまだ人生経験が短い子どもにはわかりません。
“はやく!”という言葉をどう考えるかは、人それぞれまったく違うもの。今すぐなのか、1分後なのか、5分後なのか…。
大人だって仕事で上司から「朝イチまでに資料を作成するように」と命じられても、8時なのか9時なのか、何時か教えてもらわないと明確にはわかりませんよね。発信側と受信側に温度差があります。
子どもに対しても、時計を見せたり、時計が読めない子には砂時計や「あと100数える間に準備してね」など、具体的に言ってあげましょう。