毎日、楽しそうに保育園や幼稚園に通うお子さん。

1日中、その笑顔のまま過ごしてくれると嬉しいものですが、年齢の近い子どもたちが同じ空間で過ごすので、けんかや争いごとは出てきますよね。そんな子ども同士のけんかがきっかけで、親同士が気まずい雰囲気になることも。

けんかをした子どもの親同士が意思疎通できていれば、大きな問題にはなりませんが、そううまくいかない場合も。

ご自身のお子さんが話すことを鵜呑みにして、けんかをした相手側の親に話をつけようとすると……もう、どうにもうまくいきません。話は平行線のままこじれてしまいます。

そうはなりたくないので、ご自身のお子さんが悪いと決めつけて厳しく怒ってしまうこともあるでしょう。でも、それで本当にいいのか。お子さんに対して正しく向き合えているのか。心配になってしまいます。

では、私たちは子どもたちのけんかをどのように受け止め、対応すれば良いのでしょうか。その答えを、絵本『ぐりとぐら』シリーズの作家・中川李枝子さんの考え方から探ってみましょう。

絵本ぐりとぐらシリーズといえば、「♪ぼくらのなまえはぐりとぐら このよでいちばんすきなのは…」と、子どもたちがつい口ずさんでしまう歌で有名ですよね。

なぜ、絵本作家の方の考えが、子どもたちのけんかの解決方法のヒントになるのでしょうか。

実は作家・中川さんは、保育士として17年間も働きながら執筆活動を行っていたのです。

1962年に厚生大臣賞・サンケイ児童出版文化賞・野間児童文芸推奨作品賞・NHK児童文学奨励賞を受賞した『いやいやえん』は、ご本人の保育園での経験が反映されているのです。

中川さんは、現在の駒沢オリンピック公園内(東京)にあった無認可園・みどり保育園で働いていました。当時はまだ広大な原っぱだったようで、その片隅にぽつんとある倉庫のような園で、毎日、子どもたちと向き合っていたのです。

そんな中川さんは、子どもたちのけんかについて、自著『ママ、もっと自信をもって』で持論を展開。

それが、「けんかは人間関係のはじまり」という考え方です。

特に2、3歳は自我が芽生える時期なのです。その頃のお子さんは実はこんな感じ。