今は、いつ何時、何が起きるか分からない時代。地震、台風などの自然災害のほか、新型コロナウイルス感染予防のために、自宅で過ごすことも多い今、いざというときにも家で安心して数日を過ごすための防災準備をしておくのは重要なことです。
乳幼児を持つママは、特に不安が大きいことでしょう。しっかりと準備する方法は国が多く情報発信していますので、それらを参照して準備をはじめましょう。
今回は、乳幼児を持つ家庭向けに、防災ライフプランナーの水口綾香さんに防災準備のポイントを伺いました。
水口さん自身は現在2児のママで、育児中に東日本大震災と胆振東部地震を経験しています。その経験も踏まえ、準備していたもので特に役立った日用品と食品は必見です!
乳幼児向けの防災準備の手順とポイント
まず、乳幼児を持つママが、これから防災準備を始める場合の手順とポイントをお教えいただきました。
まずはハザードマップの確認を
水口綾香さん(以下、水口)「まずは各自治体のHPで公開されている『ハザードマップ』の確認をしましょう。ハザードマップとは自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図に表したものです。
自分の暮らしの周辺は、どんな災害のときにどれだけ被害が出るかを知りましょう。国土交通省の『ハザードマップポータルサイト』で簡単に検索できます。
地図が苦手な人は自治体のハザードマップを扱っている部署に直接聞くといいでしょう。避難所や避難経路も、通常、ハザードマップに掲載されているので、同時に確認しておきましょう。
ハザードマップやお住まいの状況によって防災準備の優先順位は変わります。例えば、津波浸水する想定のエリアの方は、家具の転倒対策と避難持ち出し品の準備からはじめます。
洪水で浸水するエリアの方は、避難持ち出し品の準備と『マイ・タイムライン』の作成も進めましょう。
マイ・タイムラインとは避難に備えた行動を時系列で整理したもので、一人ひとり異なるものです。これに沿って行動することで逃げ遅れを防げます。
マンションの上層階にお住まいの方は火災の場合の避難経路の確認と家具の固定、備蓄の準備をしっかりと進めてください。自分と家族の身を、より安全な状況に運ぶのが避難です。より危険なものから対応していきましょう」
転倒・落下対策のポイント
水口「震災に備えて、家具の転倒対策、モノの落下対策、片付けを行っておきましょう。大きな地震が起こったその瞬間にケガをしてしまっては、逃げることも避難することもできません。特に小さな子のいる家庭は重要です。
子どもに触ってほしくないモノはいたずらされないようについ高いところに置きがちですが、高いところに刃物や重たいものを置くと、落下したときに危険です。しまう場所を決めて、普段から落下しない場所で管理しましょう」
避難持ち出し品準備のポイント
水口「子どもを連れての避難となると、持ち出せる量も限られます。いつものマザーズバッグに、さらに避難持ち出しリュックを追加するよりも、マザーズバッグに災害時でも使えるアイテムを足すほうがいいでしょう。
おすすめは1ポーチにつき1~2アイテム、災害時に使えるモノを追加することです。例えば100円均一ショップで見かけるLEDライトは、光で子どもに“いないいないばあ”もできるので、ちょっと待ち時間があるときに重宝しますよ。
また自宅に戻れそうなときに何度か持ち出すために、2次持ち出し品、3次持ち出し品と分けて準備しましょう」
防災備蓄について
水口「自宅の安全が確認できれば、在宅避難ができます。大人やオムツが外れた子どものトイレの備えには、収納スペースを考えると携帯トイレがおすすめです。
水や食料だけでなく電源や衛生用品も備えましょう。食べ物アレルギーがある子がいる場合は2週間以上、できれば1か月の食料備蓄を目指しましょう。ストレスが多いときに、食べ物がさらなるストレスになると、子どもは口を開かなくなってしまいます。大人も子どもも好きな食べ物を備えましょう。
授乳中の方は日本栄養士会 赤ちゃん防災プロジェクトの『災害時に乳幼児を守るための栄養ハンドブック』を参考にしてください。」