アニメ、漫画、ゲームなどのキャラクターに衣装やウィッグなどでなりきる「コスプレ(COSPLAY)」。日本だけでなく、いまでは世界中でコスプレ人気が高まっており、海外のオタクイベントでも必ずといっていいほどコスプレエリアが併設されています。
コスプレエリアは現地ファン同士による交流の場でもあり、毎回多くのコスプレイヤーが集まって盛況となっています。
しかしながらコスプレに関してのルールについては、まだまだ…といったところで、コスプレエリアの範囲が明確に指定されていなかったり、更衣室がなく自宅もしくは会場のトイレで着替えてから参加するなど、国内最大規模のオタクイベント『コミックマーケット』のように明確に定められたルールを持つイベントというのは日本以外ではほぼありません。
コスプレイベントに慣れた日本人からするとビックリするかもしれませんね。
そんな状況ですが、徐々にコスプレエリアの運用について、海外でも意識改革、ルールの制定が始まったようです。
例えば中国・香港で開催されているイベント「Comic World 香港」。これまでコスプレに関して明確なルールがなかったこともあり、会場となる「九龍灣國際展貿中心(通称KITEC)」では、大型のカメラ機材を持ち込むカメラマンが増加。
1~6階の通路で三脚、ストロボ、撮影用アンブレラ(スタンド照明)、中には巨大シーツを使った白ホリ環境を整える人もいて、コスプレとしては非常に盛り上がっていましたが…気圧されるような光景が広がっていました。
しかし、2016年12月にKITECにて開催されたイベント「Rainbow Gala」では、三脚を使った撮影が禁止となりました。
ハッキリとした理由は明らかにされていませんが、会場となるKITECはショッピングセンターも兼ねていることや、ほかの催し物も行われており、一般客の迷惑になってしまっていたことを考えれば……当然の流れという気もしますね。
一部ではエレベーターを強制的に停止させ、フォトブースとして使ってしまうといった問題行動もあったそうで、そのほかにも様々な問題点があったとか。
2017年2月に開催された「Comic World 香港」を取材したところ、三脚を使うカメラマンは一切なく、今まで会場で見れた「1~6階までアンブレラだらけになる」という光景が見られなくなりました。
日本のイベントではよくある禁止事項ではあるのですが、これから海外イベントでもこういった動きが強まりそうですね。
現状ではKITECで開催するイベントでの三脚禁止が発表されましたが、そもそも香港ではKITECのほかに大型のイベント会場は数えるほどしかないことや、別会場開催のイベントでは明確にコスプレエリアが定まるようになったなど、日本と同じレベルでコスプレにルールが決められるようになってきていると思います。(ただしKITECのイベントではコスプレエリアの範囲は定まっていませんが…)
筆者も会場には何度も足を運んでいますが、今回の新ルール制定でコスプレエリアの健全化が進んでいる感じた一方で、「Comic World 香港」ではコスプレイヤーの参加者数が減った印象を受けました。
最近は日本のコスプレイヤーや同人作家たちが、海外のイベントに参加することも増えてきています。香港だけでなく、各国のコスプレエリアやイベントのルールがどのように変化していくのかにも注目ですね。