2.精神的たくましさ
そして、筆者が何よりも大切だと思っていることは、精神的なたくましさです。
何があってもあきらめない、へこたれない力。落ち込んでも立ち直れる力。ピンチをチャンスに変えようと頑張れる力、与えられた環境に適応できる力です。
最近英語では、レジリエンスとして紹介されることも多い能力です。
自己肯定感、適応力、自信、楽天的思考、回復力、応用力など、すべてを網羅しているのがたくましさだと思っています。
では、どうすればたくましさは育つでしょうか。
自分で考えさせる
日々の小さなことでも、親が指示したり、答えを与えてしまうのではなく、今「何をしたらいいのか」「何をすべきか」を自分で考えさせることです。
幼児期の子どもなら、どちらにするかの選択肢を与えて、考えさせていきましょう。
現代は情報があふれている時代です。自分で考える力がないと、情報に振り回されてしまい、真実を見誤ってしまいます。
これからの時代には、自分で考え判断できる能力が必須です。
自分で決めさせる
状況が許す限り、自分で考えて自分で決めさせましょう。
そして、考えて出した結論をできるだけ尊重してやりましょう。そうすることで、自己肯定感や自信が生まれます。
失敗を認めてやる
自分で考えて判断したことは、子どもの場合、当然うまくいかないことの方が多いでしょう。まだ持てる情報も少なく、分析力もないからです。
だからこそ、失敗から学べることが多いのです。というより、失敗からしか学べないのです。
子ども時代はそれが許される時期であり、それこそが子ども時代とも言えるのです。
親が守ってやれる子ども時代に重要なのは、成功することやうまくいくことではなくて、自分で考え自分で決めてトライして失敗するという経験です。
人は失敗の数だけ賢くなれます。失敗の経験が多ければ多いほど、たくましさが育つのだと思います。
親は、失敗が次の一歩へのヒントとなるように導いてやりましょう。
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子どもには苦労させたくないというのが親心です。ですからつい、手を差し伸べたり助けたりしてしまいます。その気持ちとてもよくわかります。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
そうすることが、本当に子どものためになるのか、子どもが将来一人でたくましく生きていくために必要なことなのかと。
なぜなら、ほとんどの場合、親は子どもを残して先に死ぬことになるからです。
これからの社会を生きる子どもには、ぜひ健康な身体とたくましい心を身につけさせてあげましょう。