失敗しそうな場面でも手を出さない

森さんは、子どもが公園などで転びそうな場面でも先回りして手を出すことはありません。転んで泣き出した子どもに近づき「転んでよかったね、次からは気をつけようね。石のないところをちゃんと見て歩こうね」と諭したといいます。

一度痛い思いをして、次から同じ失敗をしないよう学ぶことが大切だという考えのもと、3歳まではこのような経験をたくさんさせたそうです。

1歳児でも正座をさせて説教

次男が生まれたとき、長男の「赤ちゃん返り」があったそう。そんな長男に森さんは「ちょっとそこに座りなさい」と言い、正座をさせたといいます。そのとき長男はまだ1歳を過ぎたばかり。

もちろん正座はできず女の子座りのような状態だったそうですが、30分ほどかけて「今この子(弟)は寝ているところでしょう?そういうときは邪魔しちゃいけないのよ」と言い聞かせたのだとか。

その場では何を言われているかわからなくても、毎日繰り返していれば、やがて子どもは理解できるようになるといいます。ですから、森さんは諦めずに何度も正座をさせて言い聞かせたそうです。

いかがでしたか。森さんは息子さんたちに「自分の足で歩き、生きていく力」を伝えてきたといいます。

エピソードによっては賛否両論あるかもしれません。しかし、子どもにどう接していいかわからない、育児に自信が持てないと悩んだとき、「森昌子流スパルタ子育て」が一つの解決の糸口になるのではないでしょうか。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。