いま、働くママに求められていることとは?

続いて、これから育休に入る人、復職する人、企業の中で働くママのサポートをする人たちに向けてのディスカッションに入ります。

いま、働くママに求められていることって?という問いに、桜井さんと村松さんからは新鮮な視点からのアドバイスがありました。

桜井さん「女性は家庭でも仕事でも子育てでも求められていることが多すぎるから、あまり巻き込まれすぎない方がいいと思います。

『女性の活躍』についてたくさん報道されている社会の状況を引いて眺めておくというか、少し突き放してみた方がいいんじゃないでしょうか。」

村山 邦子さん(ママボノ支援先であるNPO法人GEWEL代表として)

村松さん「不安を解消するとか、ママボノの活動を通して自信を持つという点ではとても意義があるけど、『育休・離職のブランクをプラスに変える』いうテーマ設定にさせている社会には違和感を感じます。

子どもを育てるという貴重な時間なんだから、育休を楽しんでほしいのに『キャリアアップしなきゃいけない』など女性がとらわれてしまうようでは意味がない。

また育休じゃなくても、シングルでこれからが不安だという人も、介護の悩みがある人もいて、女性の中にも多様性があるし、それぞれキャリアも考えも違うのだから、会社側も制度を作るのはいいけれど、一人一人に向き合ってほしいなと思います。」

育休は、何者として働くか、の材料を豊かにする時間

最後に、ママたちへのメッセージとして、力強いコメントが寄せられました。

藤澤さん「育休を取得するっていうのは『境界を超える』というとてもポジティブなことなんです。

組織の一員でありながら、その役割を離れて、育児という異文化プロジェクトやママボノなどのソーシャル活動に携わることで『越境』をします。

育休という越境経験は、復職後に自分が何者として働くか、や働く意味を考える材料を増やす貴重な時間となります。」

矢部さん「復職するとどうしても時短勤務とか、突発的に休まなきゃいけなかったり肩身が狭くなって何事もチャレンジできなくなってしまいがちだけど、チャレンジしていかないと自分自身の成長もないし、周りからも『育休後だから仕方ないよね』って評価になってしまう。

だけど、今支えてくれている人をこれから支えていくこともあるかもしれないから、立場もギブ&テイクだって思ってほしいです。」

桜井さん「育休からの復帰ってそれだけで、組織のダイバーシティに十分貢献しているんですよ。

子育てに限らず、介護とか、パートナーの病気とかで休まなきゃいけない人もいるんだから、『育休取得後』分かりやすいラベルを付けていると思って堂々と働いてほしいですね。」