『不育症』が原因で流産したワタシは、その不育症のひとつである『抗リン脂質抗体症候群』の経過観察のために2ヵ月に1回病院で血液検査をしていました。

この血液検査で、病気に関する血液数値の測定と共に、健康の指標となるようなデータもしっかりと出てきます。

「鉄」の数値が低く「軽度の貧血」が発覚した時は「鉄剤」を処方してもらい、しっかり飲んで状態は改善。

そういった所まで担当の血液内科の先生に定期的に見てもらい、「今回はいい感じですね!いつでも妊娠OKだよ」という安心材料をもらっていました。

他にも、1年に1回くらいのペースで『子宮頸がん検診』にも行き、病気の有無から子宮の状態までを婦人科の先生にチェックしてもらっていました。

事前に聞きたいことをメモに書いて握りしめ、「ほかに何か聞きたいことありますか?」と先生に聞かれたら、内膜症は無いか、子宮の形状は問題ないか、経血が多いのは不育症の投薬治療に関係があるのか?など、がんに関係のないこともドシドシがっついて質問攻め!でも先生は嫌な顔せず丁寧に答えてくれます。

おかげでネットや口コミでは分からなかった疑問も解消しました。
そしてその先生にも「問題ないね!いつでも妊娠して大丈夫だからね!」と言ってもらっていました。

プロの医師2人にお墨付きを貰えたのだから、パッと見、今の自分には大きな問題はないのね!ちょっとゆったり構えるか!…なんて余裕も出てきて…。


こういった定期的な病院の診察は、もし自分が流産をして『不育症』だと発覚してなかったら、「なんか怖いな~面倒くさいな~」と思って、受けてなかったんじゃなかろうか。

そんで、貧血や他の諸症状に気づかないまま、やみくもな妊活にお金を注いでしまってたんではなかろうか。


もちろん、それぞれの人に、その人に合った妊活方法があるとは思うのですが、
ワタシは不育症のおかげでやっていた『定期的な健康診断』で、無自覚ながらも妊活の基礎ができていたのかもしれません。

「まあ30歳で妊娠しなかったら不妊症検査を一緒に受けようって旦那とも約束してるし、今のマイペースな感じでひとまずいっかぁ~~☆」

…なんて呑気にかまえていたある日…

婦人科検診でサラッと先生の口から出たのが、
「あ、そうそう妊娠したらスグに教えてね!ヘパリン注射開始するのは早い週数からがいいから!」という一言。

「へぱ…ヘパリン注射…!!?」


ーーそう、ワタシは『妊娠するまでの事』ばっかりに気をとられていて、一番大事な『妊娠してからの治療』についてちゃんと質問してなかったんです!

いや、だいたい抗リン脂質抗体症候群には『投薬治療』と『自己注射治療』があるってことは頭に入ってましたが「自分は今の投薬治療を妊娠してもそのまま続ければいいんだろうな~」くらいに軽く考えていたので、

「先生、ヘパリン注射って…あの1日2回自分でお腹とかに刺すヤツ…ですよね?」

「うん、Chaccoさんの血液数値だと妊娠5週目~分娩直前まで注射打つ感じかな。きついけど大事な治療だから赤ちゃんの為にも頑張ってね!」

うおおおおおおマジかよおおおおおお聞いてないよー!

いや聞いてなかった自分が悪いよおおおおおーーー!(涙)

 

この時、自分が『不妊症』かどうかまだわからないながらも、
例え妊娠しても『不育症』であることに変わりはない事をまざまざと突き付けられ、イッキに現実が見えました…。

「ダメだ、もう悠長なことは言ってられない!オレここから本気だす…!!」

そしてワタシのユルユル妊活は終わりを告げ、
「覚悟の妊活」がスタートするのです…!


つづく

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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