住宅取得等資金贈与の特例にも注意が必要

ここまでの内容で、「住宅取得等資金贈与の特例」を使うことが、どれほどお得なのかはお分かり頂けたと思います。

この特例を使うことにより、贈与を受けるパパママ世代はもちろん、贈与をする親の方も資産が減ることになりますから相続税対策になり、どちらも得になるというわけですね。

しかしこの特例にも注意が必要な点があります。

それは、長男や長女など将来親の自宅を子どもが引き継ぐ予定がある場合です。

例えば、亡くなった親の自宅を引き継ぐ場合、親の住居を相続する際の相続税計算において土地の評価が最大80%下がるという「小規模宅地等の特例」が使えますが、この特例の対象になるためには「同居している」必要があります。

そのため、親の自宅を引き継ぐ予定がある子どもが別の持家に住んでいた場合は対象外となりますから、「住宅取得等資金贈与の特例」を使ってマイホームを購入し得をしても、結果的に損をする可能性もありますから注意が必要です。

例えば、親所有の3,000万円の土地が80%減の600万円の評価で済むという特例を使った方が住宅取得等資金贈与の特例を使うよりお得になるとケースですね。

つまり、実家を継ぐ予定がない子どもが親からの贈与により特例を使って住宅を取得する場合は、かなりお得ですから、使わない手はないということです。

しかしそういった話を子ども側からすることはかなり難しいことかもしれません。

そういう場合は是非、不動産会社の営業マンを利用して頂きたいと思います。

住宅購入の際は不動産会社に相談をすると思いますが、相談の際には親も一緒に連れて行き、営業マンに贈与税のお得な制度の話をしてもらった方が、角が立たず話がうまくまとまるケースが多いです。

現代は、社会の制度や税金の制度など、知る人のみが得をする時代になっています。

生活の中で得をする制度は今回ご紹介した「住宅取得等資金贈与の特例」だけではなく、知らないだけの場合が多いものです。

少し意識してアンテナを張って頂き、パパママ世代の家計が少しでも元気になればと思っております。

ライター。不動産会社に10年ほど在籍し、賃貸営業、賃貸事務、売買仲介、売買仲介事務、不動産管理営業、不動産管理事務など幅広く経験。現在も不動産会社で勤務しており、おもに賃貸仲介をメインで活動中。好きな言葉は、「根拠のない自信はおおいに結構。それを裏づける努力をするべし」。二児の母でもある。