横山三国志の裏側に迫る

続いてスペシャルトークショー。第1弾のテーマは横山光輝三国志。

司会進行は、横山三国志大好きの渡部麗さんとタイガー原さん。タイガーさんのかぶりものは南蛮国第二洞元帥・董茶奴なのだそうです。なぜそんなところを……。

ちなみにタイガーさんの傍らにあるピンク色のドリンクは、ノンアルコールカクテル『二喬をねらえ!』。かわいい。

ゲストは編集者の岡谷信明さん。『三国志』をはじめ横山光輝先生の数々の作品に担当編集者として携わった方です。そして、渡邊先生も引き続き登場しました。

岡谷さんによる横山先生のエピソードの数々で盛り上がりました。曹操の細いまゆ毛は、他のキャラクターとは違う曹操独特のもの。「実は先生は曹操が好きだったんじゃないか」と岡谷さん。

さらに、「女性のまつ毛はアシスタントに任せず自分で描いていた」など作画にまつわるエピソード、仕事はきっちりでプライベートはかなり豪快な先生の素顔、と担当編集だからこそ知っているお話が次々と飛び出しました。

渡邊先生は、横山三国志では頼りない役柄の魯粛を、正史の観点から弁護します。実は非常に優れた人物で「天下三分の計を目的として考えたリアリストの大戦略家」なのだそうです。統一中国で華北に従属させられていた呉の独立を目指していたということでしょうかね。よく分かりませんが。

ともかく渡邊先生の評価は「時代を突き抜けた感覚でいえば、上に曹操しかいない」という最高級の賛辞。「蜀は主人公、魏は敵役、呉は道化」という京劇の演出法が横山版・魯粛のルーツではないか、とのことです。しかし、横山版の魯粛にも「熱狂的な女性ファンが相当数いた」(岡谷さん)というから世の中分からないものです。

三国志モチーフアクセも。物販コーナーは大盛況

横山光輝『大判三国志』も。こちらはオリジナルの編集者・岡谷さんが引き続き手掛けました。ノド(本の綴じの部分)のところまで読みやすくなって、塗り絵も付くなど60巻全部読んだ人でも、もう一回読みたくなる仕掛けがたくさん付いています。

アジアモクさんによる中国陶器のアクセサリー。三国志の登場人物をイメージした作品はひとつひとつ手作りです。例えば、孔明は伏龍、関羽は髯(ひげ)。そして夏侯惇モチーフは丸に矢が刺さったもの。何を表しているかは三国志ファンならお判りでしょう。
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切り絵の伏竜舎さんのブースには、かっこいい武将切り絵がたくさん。販売されている方は衣装も三国志風、ポーズは「拱手 」。その姿形からも気合いが入っていることが伝わります。