家の中を知れば、家事ができない原因が見えてくる

--当時の三條さんのように、家事ができなくなってしまう理由というのはどういったところにあると考えますか?

三條「家事ができないのは『わからないから』だと私は考えています。

何からはじめていいのかわからない。料理や掃除の基本的なことがわからない。ネットショッピングのIDやパスワードがわからない。家で使っている洗剤の銘柄がわからない。片づけ方がわからない。

こういった『わからない』ものがあると、探したり、考えたり、調べたりするひと手間が発生しますよね。そのひとつひとつはわずかな時間でも、これが1日の中で何度もあると、かなりの時間を奪われていることになるのです。

結果、1日を通して家事が全然進んでいない、という事態に陥ってしまうのだと思います。」

--三條さんも当時、そのような状態であったということですよね。そこを脱却するために作ったのが「家事ノート」ということですが、作り方を簡単にお教えいただけますか?

三條「家事ノートは、日々の家事を回していくために『何からはじめていいのかわからない』をなくす【スケジュール】と、『わからないことがあったときに参照する』取扱説明書のような【ログ】の2つで構成されています。

まず、【スケジュール】の作り方にはちょっとしたコツが必要です。

いきなり書くのではなく、まずは『わが家の家事の総量』を把握するのです。毎日しなければいけない家事だけでなく、たまにでいい家事、これなら頻繁にやらなくても大そうじのときにしようと思う家事など、家庭によって総量と内容は変わるはずです。

これをリストにして、『いつやるのか?』を決めて、スケジュール表に記入します。

恐らく、1度目では完成しないと思います。やってみると『水曜日はいそがしいからもう少し家事の量を減らそう』『この家事はもっと頻度が低くてもいいな』など、改善点が見えてきます。時間は少しかかりますが、こうして工夫を重ねていくと、どんどん家事に悩む時間が減っていきます。」