3. 感謝の理由を伝える
「ありがとう」が言える子に育てる、それはきっとどんな親も心がけていることだと思います。
小成さんもその考えには賛成ですが、ただし「無理やりありがとうと言わせることはNG」だとしています。
「ほら、ありがとうは? ありがとうって言って」と親に言われてやっと「ありがとう」と言う子どもの光景はよく見ますね。
筆者も、そう言ってしまっている場面があるな~と思い当たります。
小成さんは、「ありがとうの意味を考えさせ、心からの感謝の気持ちを伝えられるようにするために、『~だから、ありがとう』と言えるようになることを目指した」そうです。
何かをもらったときに、「おいしいクッキーを、ありがとう」とか、「僕の大好きなイチゴを、ありがとう」などと言えれば、言われた相手もうれしいですね。
大人になってからも、この具体的な感謝はとても役に立ちます。何に感動したり、感謝したりしているのか、具体的な表現で伝えると、相手にも伝わりやすいのです。
これが自然にできるようになるためには、子どものころからの積み重ねが大事。
心のこもった「ありがとう」が言えるようになる、これは世界の人々と付き合っていく上でも大切なことだと小成さんは考えます。
4. 謝罪の原因を理解する
謝罪についても同様です。
「~して、ごめんなさい」と理由を伝えることが大切。
「約束を破ってしまって、ごめんなさい」「大事な本に絵を描いてしまって、ごめんなさい」などです。
しかし、感謝よりも難しいのが、「自分は悪くない」という意識が働くことがあるからだそうです。なので、親がなぜ怒っているのかをまずよく考えさせること。
「どうしてママはこんなに怒っていると思う?」「…弟の頭を叩いたから?」「そうだよ。頭を叩かれたら、◯◯ちゃんもイヤだよね。みんなイヤなんだよ」というように、子どもの頭を整理してあげながら、謝罪の理由を納得させることが重要だといいます。
その上で、もう一歩踏み込んで「じゃあ、次からどうすればいい?」と対策を考えさせます。謝罪に関しては、この「原因の整理」をして「対策」を立てる、このステップが必要になります。
「頭を叩いてごめんなさい。次からは、まず『返して』と言って、叩かないようにします」といった感じの謝罪ができるようになれば、完璧です。
感謝も謝罪も、言葉にしないと相手に伝わりません。これも、海外の人と比べて日本人が苦手な人が多い部分だそうです。
大人になっても、海外でも通用するこの感謝と謝罪の方法は、小さいうちから身につけておきたいですね。
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コミュニケーションの基本を0歳のうちから教えることがまず世界で通用する人材を育てる第一歩。
いきなり英語に触れさせようとがんばらなくてもいいところが、どんなママにも今すぐ始められそうですね。
本書では、小成さんが子育てをする中で独自に編み出した、ただ「勉強をさせる」ことではない、小さいうちから身につけさせたい基本のことがたくさん紹介されています(もちろん、親が家庭で一緒にできる具体的な勉強法なども紹介されていますが)。
ぜひ参考にしてみてくださいね。