子どもが生まれる前は「五体満足であれば、それでよい」。生まれた後は「生まれてきてくれてありがとう」と多くは望まなかったのに…
次第に「あの子に比べてあれも出来ない、これも出来ない」と比べる病にかかってしまい、手元にある宝物に目が行かなくなることがあります。
『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
子育ての渦中にいると見えなくなってしまう
ママになる前、抱っこひもやバギーで赤ちゃんを連れている人を見ると、自分の将来の姿を重ねて夢見たことはありませんか。そして、出産直後は「生まれてきてありがとう」「自分の命より大切な守るものが出来た」と感じます。
でも、子どもって自分の思い通り育ってくれるわけではなく、計画通りに事が運びません。年齢ごとに新たな課題や悩みが勃発します。
自分のことだけしていればよかった頃と違って、そこに子どもという別の人間が侵入してきます。毎日、こなしてもこなしてもやらなくてはならないことが山積です。家族のための家事なのにちっとも自分のペースで進まず、イライラがますます募ります。
鏡に映った疲れた自分を見て「世間から取り残されている」と感じ、バリバリ働いて、小奇麗にしているママと自分を比べて凹んでしまうこともあります。
幸せは他人との比較
これは当然のこと、脳科学者の茂木健一郎さんの本でも「他者との比較で自分の立ち位置を確認する」と書かれています。
「周囲が自分よりも抜きん出ていれば幸せだけど、周囲も同じ生活レベルなら特別に自分が幸せだとは思わない。
このように、私達が常に他人との比較において幸福を感じるのだとしたら、幸せとは絶対的なものではなく相対的なものということになります。・・・・中略・・・
友達がどんどん結婚していき子どもに恵まれる中、自分一人がずっと独身でいると焦燥感にかられることもありますね。」
出典(茂木健一郎『幸福になる脳の使い方』)
子育てには終わりがない
子育てって終わりがないです。オムツが外れた外れないから始まり、子どもが少し大きくなって小学校に進めば勉強ができるできない、それから苛めにあったり、担任のことで悩んだり、不登校になったり……
- 0、1歳・・・他の赤ちゃんに比べて首の座り、寝返りが遅い早いで悩む
- 2歳・・・オムツが取れるのが早い、遅い。言葉が早い遅い。魔のイヤイヤ期に苦労する
- 小学生・・・勉強ができるできない、いじめ問題に直面する
- 中学生・・・反抗期に悩む
- 高校・・・・進路の問題に悩む
- 成人・・・・非正規雇用の就職難で将来が心配
- 30歳過ぎて・・・いつまでも結婚しないわが子が心配
このようにエンドレスです。
子どもが成人しても、親はいつだって子どものことが心配なのです。