SUN&LUNAR『Romantic summer』(『瀬戸の花嫁』OP)

『瀬戸の花嫁』のオープニング主題歌に使用されていた『Romantic summer』も、「GS+サーフ」なサウンドで夏を表現してみせた名アニソンです。

歌うは、アニメでヒロイン「瀬戸燦」と「江戸前留奈」を演じた桃井はるこさんと野川さくらさん。桃井さんは、作詞と作曲、編曲も担当しています。

ポップ・フィーリングと良い意味でマニアックな音楽性が同居した、実にモモーイらしい楽曲であり、その作曲家としての才能を端的に伝えてくれる楽曲です。

アニソンらしい明快なメロディに、ベンチャーズを彷彿とさせる「デンデケデケデケ」なギターサウンドや、GS歌謡風のいなたいコード進行を組み合わせる音楽的手腕はお見事としか言いようがありません。

勿論、桃井さんと野川さんという二人の歌姫による歌声も本曲の大きなチャームポイント。昭和の任侠映画からの影響大な作品性にもジャストフィットした夏の名アニソンです。

今井麻美『Strawberry ~甘く切ない涙~』(『にゃんこい!』ED)

"夏ソング"というと、アッパーで高揚感のある楽曲がまずは思い起こされますが、切なくてセンチメンタルな夏の歌もやはり良いものです。今井麻美さんの『Strawberry ~甘く切ない涙~』は、まさにそんな"切ない夏アニソン"。夏景色に、片想いの幸福感と切なさのエモーションを託した、とても美しいラブソングです。

相手に自身の好意を伝えることができず、もどかしい思いをしながらも、好きな人を想うことで、何よりも幸せな気持ちを抱く……そんなヒロインの姿がとてもいじらしく、リリックを読んでいるだけでも、胸が"キュン"となるような甘酸っぱさに身悶えしそうになります。

ネオアコの要素を感じさせるギター中心の音作りや、ストリングを巧みに使用したサウンドも情感を盛り立ててくれますし、何よりも、今井さんの歌心溢れるヴォーカルが素敵です。

「相手に思いを告げられず、胸に抱いたままの恋」というエモーショナルな心情が、今井さんの声量のある歌声で見事に表現されており、まさに「甘く切ない」恋心が歌によって非常に写実的に描かれています。

ポップでセンチメンタルな夏のラブソングとして、沢山の人に聴いていただきたい一曲です!