世界三大映画祭を制した映画作家ロイ・アンダーソンのキャリアを総括する特集が開催
PFFでは毎年、過去の名作や巨匠監督の作品をまとめて上映。映画ファンだけでなく、映画をつくっている若い監督たちに新しい発見や学びの場を設けている。
今年はスウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督の大規模な特集上映を開催! 孤高の映像作家ロイ・アンダーソン監督は、長編デビュー作『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』でベルリン映画祭4冠に輝き、『散歩する惑星』ではカンヌ映画祭審査員賞を受賞。そして最新作『ホモ・サピエンスの涙』ではベネチア映画祭では銀獅子賞に選ばれた。
今回の特集では彼のキャリアを網羅するべく全長編作品と、貴重な学生時代を含む初期短編5本を日英字幕で上映。さらにはCM作品や監督メッセージの紹介も準備中だという。
圧倒的な映像美、観客の予想を心地よく裏切る展開、静謐な空間にうごめく人々を描く違和感と緊迫感、思わず頰がゆるむユーモア……誰にも似ていない、誰にも真似できないロイ・アンダーソンの世界が今秋、スクリーンに復活する!
『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』
1970年ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか4冠 *35mmフィルム上映
『ギリアップ』
港町のホテルを舞台に描く、哀愁漂うクライムムービー *日本初上映
『散歩する惑星』
構想20年、撮影4年をかけて撮り上げた傑作 *35mmフィルム上映
『愛おしき隣人』
架空の街を舞台としたユーモラスな人類観察映画 *35mmフィルム上映
『さよなら、人類』
時空間も現実も超えた、真面目でおかしな人々の人生と死の物語
『ホモ・サピエンスの涙』
全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影! *特別上映
「短編プログラム」
貴重な学生時代を含む初期短編5本を日英字幕で上映 *日本初上映
監督・ゲスト登壇の特別プログラムやPFFスカラシップ作品の世界初披露も!
ほかにも、WOWOWの連続ドラマW『夢を与える』『悪党~加害者追跡調査~』を一挙上映。
昨年から始まった企画“ブラック&ブラック~映画と音楽~”では1974年にザイールで行われた音楽祭の模様をおさめた傑作ドキュメンタリー『ソウル・パワー』が上映され、会場を熱狂させる! いずれの上映回もゲストの登壇を予定している。
そして、PFFの入選監督がオリジナル企画をたて、PFFが完成までトータルでプロデュースして映画を完成させるプロジェクト“PFFスカラシップ”から生まれた『猫と塩、または砂糖』が上映される。
監督を務めたのは、2016年のPFFアワードでグランプリに選ばれた小松孝監督。グランプリ作『食卓』に続き、本作でも家族のドラマを描くという。当日は小松監督やキャストが登壇。世界初披露の貴重な上映になりそうだ。
■WOWOW連続ドラマWをスクリーンで
『夢を与える』2015年/日本/カラー/約50分×4話
※上映後、犬童一心監督によるトークを予定
『悪党~加害者追跡調査~』2019年/日本/カラー/約50分×6話
※上映後、瀬々敬久監督によるトークを予定
■ブラック&ブラック~映画と音楽~
『ソウル・パワー』2008年/アメリカ/カラー/93分
※35mmフィルム上映
※上映前にナビゲーターのピーター・バラカン氏よるトークを予定
■第25回PFFスカラシップ作品 完成披露
『猫と塩、または砂糖』2020 年/日本/カラー/120 分予定
※上映前に、小松孝監督、出演の田村健太郎、宮崎美子、吉田凜音、諏訪太朗による舞台挨拶を予定