子どもの苦手分野と「習い事」の選択
前記の例と同じく、習い事をさせるとき、子どもの意向を無視して親の考えだけでこんな理由で選んでいませんか?
- 運動が苦手だから、体操教室に通わせよう
- 友だちとのコミュニケーションが苦手だから、チームプレーの野球をやらせよう
- 私(親)がサッカーファンだから、本人は野球をやりたがっているけれどもサッカーをやらせよう
- 絵が下手だからお絵かき教室に通わせよう
- 落ち着きがないから習字を習わせて、落ち着かせよう
- 水を怖がるのでスイミングに通わせよう
これから長い人生を生きていく中で、苦手なものから逃げる姿勢はよくありません。
でも、またまだ幼い子どもです。嫌いなこと、苦手なこと、出来ないことばかりやらされていたら、失敗体験ばかりして挑戦意欲が湧くことはないのです。
次第に習い事に行くことを渋るようにもなるでしょう。
結果的に成功体験を得ることが出来ないので、「伸びる」ということからドンドン遠ざかってしまうのです。
むしろ、
- 運動が得意だから体操教室に通わせよう
- 子どもが野球が好きだから野球をやらせよう
- 絵が好きだからお絵かき教室に通わせよう
- じっとしていることが苦手だから、ダンスを習わせよう
の方がよいのです。
習い事の選び方で大切なポイントは次の4つです。
- 子どもが興味を持っていること
- 好きなこと
- 得意なこと
- 適性に合っていること
伸びる人は自分の強みを知っている人
平均的になんでもそつなくこなす人よりも、“一芸に秀でている人”が重宝される時代に既になりつつあります。
今以上に人工知能が普及してくれば、益々そのようになります。
また、大人になって自分の強みを知っている人は、それを活かして人生を切り開いていくことが出来ます。
他の人が出来て自分に出来ないことがあったとしても、「自分には不得意なことがあるけれども、他に得意なことがあるから大丈夫」と思うことが出来ます。
よく考えてみれば、大人だって手先が器用な人が刺繍を習ったり、料理が得意な人がますます腕を上げようと料理教室に通ったり、運動が好きな人がランニングに興じたりしますよね。それは子どもでも同じです。
また、仕事に就く際、緻密な作業が苦手でも人当たりがよく行動力がある人は営業職、人と対面するのは苦手だけけれども慎重でミスが少ない人はデータ作成などのデスクワークが向いていると言われます。この人員配置を間違えると会社はうまくまわっていきません。適材適所です。
まとめ
“好きこそ物の上手なれ”の諺通りです。子育てをしていると、子どものすべての面を平均的に伸ばそうとしたくなりますが、むしろ得意なことを伸ばした方が結果的に伸びていきますよ。
「これが苦手だからやらせよう」という考えは止めた方が良さそうですね。