「魔法のグラス」「魔法のルーペ」で体験する新しい絵画鑑賞
複製画パネルの前でAR(拡張現実)グラスである「魔法のグラス」をかけると、太子の生涯をたどる代表的な15エピソードについて、アニメーションや分かりやすい解説が、目の前で展開される。
例えば、太子が黒い馬に乗って富士山を超えるシーンでは、「魔法のグラス」をかけると、ぼんやりとしか残っていない衣装や白雲が次第にはっきりと、彩色も鮮やかに描かれたイラストに変化していき、富士山の頂上付近をひらりと飛んでいく太子と馬のアニメーションが展開する。
これらの彩色や動きは、当時の文献や資料を元に東京国立博物館の研究員が監修。これまで見えていなかった景色や人物が、目の前に生き生きと立ち現れる姿に驚かされるはずだ。
また、5G スマートフォンである「魔法のルーペ」を複製画パネルにかざすと、「魔法のルーペ」の画面に絵伝の超高精細画像が表示され、スムーズに拡大縮小することができたり、58のエピソードの解説やナレーションが再生することができる。
「魔法のルーペ」で拡大して見ると、剥落の具合や、残された線や色、絹の糸目まで、肉眼では見ることが難しかったディテールがくっきりと浮かび上がり、こちらも今まで体験したことのない絵画鑑賞に目を見張ってしまうはずだ。
厩の前でほほみながら太子が誕生するシーンや、両腕を広げて空中を浮遊する11歳の太子、太子の魂が龍に引かせた車で隋に経典を探しに行くシーンなど、太子の超人的エピソードも、かつて絵伝を見ながら驚愕したであろう人々を想像しながら、じっくりと堪能することができる。
最新技術を駆使したからこそ浮かびあがる、『聖徳太子絵伝』の新たな魅力を発見してほしい。
【開催情報】
『5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」 ARでたどる聖徳太子の生涯』
9月29日(火)〜10月25日(日)まで東京国立博物館 法隆寺宝物館にて開催