お子さんと同様、ママも水着や薄着になる季節。ダイエットを意識するママも多いのでは?

それでなくても、産後は体型の戻りが気になったり、スタイルの維持が難しく、ダイエットしなきゃ~と誰しも一度は考えるもの。

でも、痩せたいからといって、はやりのダイエットにとりあえず飛びついたりしていませんか?

実は、もしかしたらそのダイエット、科学的に見ると「NG」なダイエットかもしれません。

医学博士・岡田正彦さんの著書『話題のダイエットを格付けしたら…』より、科学的、医学的に見て「NG」なダイエットを4つ、理由とともに紹介します。

1.酵素ダイエット

酵素ダイエットというのは、酵素ドリンクを水で割って、毎日5~6回飲むか、一食分を酵素ドリンクに置き換えるというもの。

酵素と聞くと、健康に良さそうというイメージがあるのではないでしょうか?

なんとなく、よくわからないけど摂取したら体にいいもの、のような気がしますよね。

まさにその、なんとなく、とか、実はよくわかってないけど……といった部分が厄介です。

岡田先生は、酵素ダイエットと聞いたときに、「食品中や人の体内には無数の酵素が存在するので、『酵素ってどれのこと?』という感じ」だったそうです。

たとえば大根に含まれるジアスターゼという成分は消化酵素で、胃腸に優しく総合胃腸薬などに配合されていたりします。

ですが、酵素ドリンクやサプリメントには、そういった消化酵素が配合されているわけでもありません。

なぜなら、ほとんどの消化酵素は「薬」という扱いなため、配合すると医薬品としての認可が必要になって取り扱いが難しくなるから。

酵素が実際に入っているかどうかもわからないものの科学的根拠を探すことは難しく、岡田先生は「コメント不能」としています。

あたかも消化酵素を配合したかのような宣伝文句が謳われた製品に騙されないよう、消費者側の注意が必要ですね。

2.水飲みダイエット

毎日2リットルの水を飲むと、お通じが良くなるとか肌の調子が良くなるとか、なんとなく水をたくさん飲むと美しくなれるようなイメージ、ありますよね。

水飲みダイエットは、毎食の食前に水を2杯飲む、または体重の4%に相当する水を飲む、毎日10回コップ1杯ずつ水を飲むなどの方法があります。いずれにせよ、「水をたくさん飲んで痩せる」ということですね。

医学専門書によると、体重60kgの日本人の場合、体に入る一般的な水分量は、飲み物が1500ml、食品中の水分が800ml、栄養素が体内で燃焼して生ずる水分が300ml。

体から出ていく水分量は、尿が1500ml、皮膚や呼気から蒸散する水分が1000ml、大便が100ml。つまり、一日に必要な水分は2600mlになります。

ただ、1500mlの飲み物はすべてミネラルウォーターや水道水で賄わなければならないというのは、間違っています。

水以外にも、食事中に味噌汁やスープをとることもあれば、カフェでコーヒーや紅茶を飲んだりもしますので、それらも含めると特に水を意識せずに普通に生活していてもそれなりに水分はとっているものと思われます。

よく言われる「血液さらさら神話」についても、岡田先生は否定しています。

血液がスムーズに流れることができるのは血液中にある赤血球の「柔軟に変形できる働き」によるものですが、この柔軟性は水やお茶を飲んだくらいで変化するものではなく、短期間で血液がどろどろになったりさらさらになったりするものではないそうです。

そもそも、「水だけ飲んでいれば痩せられる」のは当たり前の話。カロリーのないものでお腹を満たし、その分食事を減らせば、痩せるに決まっています。

ですが、その安全性に関しては岡田先生は警鐘を鳴らしています。

短時間に大量の水を飲むと血液が一時的に薄まってしまい、体調を崩す人が多いそうです。体がだるい、足がつるなどの症状、さらにはけいれんを起こしたり、最悪死に至るケースも。

「夏バテ」で病院を訪れる人の中にも、水分のとりすぎが原因という場合も少なくないそうです。

これからの季節、ダイエット目的でなくとも水分の過剰摂取には気をつけた方がいいかもしれません。