クーラー病、熱中症、夏風邪、どれも夏に起こりやすい代表的な体調不良です。これら夏特有の症状が現れる主な理由は自律神経の乱れですが、食事でのケアがとても重要です。
今回は、管理栄養士の筆者が、夏の不調を極力予防するための食事についてご紹介します。
クーラー病(冷房病)の食事ケアについて
クーラー病とは、屋外は暑いのに屋内はクーラーが効き過ぎていて寒いくらいの状態のために体調を崩してしまうことです。
その温度差が5℃以上になると、クーラー病の主症状である、吐き気、頭痛、肩こり、倦怠感、食欲不振等が現れやすくなることがあります。
そんなときに気をつけたい食事ケアをご紹介します。
(1) 冷たい食べ物、飲み物ばかり摂らない
暑い夏はついつい冷たいもの食べたり飲んだりしがちですが、冷たいものの摂り過ぎは内臓に負担を掛けます。また胃腸での栄養吸収を妨げる等の機能低下を起こすこともあります。
さらに血行不良になり、体内に老廃物が溜まる恐れもあります。
(2) 夏野菜を食べ過ぎない
なす、トマト、きゅうり等の夏野菜は体を冷やす効果があるため、クーラー病の症状があるときは生で食べるのは控え、熱を加えて食べるようにしましょう。
夏野菜は熱を加えると、体を温める働きに変わるものが多くあります。
(3) 体を温める食べ物、飲み物を摂るようにする
体を温める食べ物を摂ることで内臓から温めることができます。生姜、にんにく、玉ねぎ、ねぎ、チーズ、かぼちゃ等がおすすめです。
飲み物も温かい、生姜紅茶や生姜ココアを飲むようにするといいですね。
(4) 朝食をしっかり食べる
寝起きは血糖値が低い状態のため身体の冷えを招きます。それを防ぐためにもしっかり朝食を食べましょう。
朝食にバナナを取り入れる、また豆腐や納豆など大豆製品を食べるのがおすすめです。
熱中症の食事ケアについて
熱中症は、運動会や外出どきだけでなく、室内にいても心配ですよね。高温多湿の環境に身体が適応できないことで熱中症になることがあります。
そんなときに気をつけたい食事ケアをご紹介します。
(1) 豚肉
豚肉は、牛肉のおよそ10倍のビタミンB1を含んでいます。また多くのタンパク質も摂取することができるため、熱によって疲れた体を癒す効果が期待できます。
(2) 梅干し
熱中症は体内に熱がこもるだけでなく、汗によってミネラルや塩分が不足してしまうこともあります。そのときに梅干しを摂ることで、効率良く ミネラル、塩分を効率良く摂取できます。
梅に含まれるミネラル成分と、漬けるときに使用する塩の相乗効果で熱中症予防に適した食材といわれます。
またクエン酸も含んでいることから、疲れの要因となる乳酸発生を抑制する効果が期待でき、疲労回復が望めます。