流司 大樹くんは多彩な人だよね。ライブの映像を拝見しても俺とは次元の違うパフォーマンスをしていて、それは努力の賜物なんだろうな、って。
それと同時に、直感型で天才型でもあると思う。お芝居も台本に書き込む理論的なタイプではなくて、感じたままにやる人なんじゃないかなって気がした。
どのタイミングで動くと気持ちいいのか、そういうセンスが備わっているのがうらやましい。
大樹 あんまり言われたことがないからすごいうれしい。
舞台をやったときに、説明しなくても動いてほしいタイミングで動いてくれると言われたことがあって、それって直感型ってことなのかな? ダンサーをやっていて良かった(笑)。
劇中ではひとつの小説を生み出すために協力する過程が描かれるが、もしもふたりで何かを一緒に作るなら……?
大樹 バーを作りたい!
流司 居酒屋じゃなくて?
大樹 いや、オシャレなやつ(笑)。仲間が集まれる基地みたいなところを作れたら楽しそうじゃない? 好きな家具と好きなお酒を置いて。
流司 いいね〜。掃除、できる?
大樹 めちゃくちゃする。水回りの掃除も任せて。でもアレルギーだから猫は連れてこないでね。
流司 あははは、分かった(笑)。接客は俺がやろうかな。……って高校生が主人公の青春映画でバーの話になっちゃってるけど(笑)。
大樹 主人公は高校生でも、幅広い世代の人に観てほしい映画になっているから大丈夫。
この映画では小説家という職業にスポットを当てているけど、どんな仕事をしている人にもつらいことがあるし、プロとしてそれを乗り越えなきゃいけないときがあると思う。だから映画を観終わって、自分の仕事に誇りを持てる人も多いんじゃないかな。
白黒からカラーに変わるシーンをはじめ監督がこだわった映像と、胸が熱くなるストレートなメッセージを受け止めてもらえたらうれしいです。
流司 心憎い終わり方で、この人たちは世界のどこかに今も実在しているんじゃないかなと思ったんだよね。
登場人物ひとりひとりにリアリティがあったし、恋愛ものでもサスペンスでもないのにものすごく没入感があった。満足度が高くて心があたたかくなる作品なのは間違いないです。
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