働く女性は、生理不順、不妊、プレ更年期など女性ホルモンに関する不調があると、働きにくさを感じるものです。しかもこうした女性特有の症状は、職場で伝えにくく、理解がなかなかされないこともあります。

その意味では、まだまだ働く女性の環境は不十分と言われていますが、そんな中でも、できるかぎりの対処を行い、仕事に子育てに支障なく元気に活動したいものですよね。

そこで今回は、ヒントを得るべく、オンラインで相談できる法人向けサービス「TRULY(トゥルーリー)」をプロデュースする丸の内の森レディース クリニック院長で産婦人科医の宋美玄(そん みひょん)先生に、「プレ更年期」の対処法についてコメントをいただきました。

また、TRULYを手がける会社の代表であり、自ら妊娠中の悪阻で悩んだ経験を持つ二宮未摩子さんに、職場とどのようにコミュニケーションをとっていくべきかをお話しいただきました。

プレ更年期って?

最近、よく耳にする「プレ更年期」という言葉。30代でも起きうるといわれています。

プレ更年期は、一般的に早期から更年期のような症状が出ることを指します。

厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、「更年期障害」とは、「40歳代以降の男女の性ホルモン分泌量の低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群」であり、女性の場合は、閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって症状が現れるといいます。

更年期にみられる身体的症状

のぼせや顔の火照り、脈が速くなる、動悸や息切れ、異常な発汗、血圧が上下する、耳鳴り、頭痛やめまいなど

精神的な症状

興奮亢進、イライラや不安感、うつ、不眠など
こうした症状が現れる場合に、プレ更年期、もしくは更年期の可能性があるということです。

プレ更年期かどうかの判断ポイント

もし、上記の症状が現れた場合、働くママとしては、少なからず、仕事や育児に支障が出るものです。宋美玄先生に「プレ更年期」について伺いました。

――自分の症状が、プレ更年期が原因かどうかを判断するにはどうすればいいでしょうか。判断基準を教えてください。

宋美玄先生(以下、宋)「プレ更年期というのは医学用語ではないので、そのような時期が存在するわけではありません。

気になる不調がある場合、生理不順があるかどうかがポイントです。生理不順がなければ更年期の可能性は下がります。

生理が順調な場合、生理前など特定の時期に出るようであればPMS(月経前症候群)のほうが疑わしいでしょう。気になる症状があればホルモン検査が原因を突き止める情報になることもあります」

――プレ更年期が疑われる場合の、相談先はどこがいいでしょうか。

宋「不安な場合は我慢せず、婦人科へ相談してください」