テレビシリーズから劇場版へ。ふたりが見せた変化とは?

『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』

──顔が変わるといえば、5話から内藤さんの顔つきが変わった印象があったのですが。

内藤 そう言われて少し納得するところはありますね。上堀内(佳寿也)監督の回で、めちゃくちゃ怒られたんですよ。そこで、中身の芝居をこれでもか!と叩き込まれたので。

表情の作り方だったり、セリフの言い方だったり、気持ちが変わった回だったなと思います。

山口 5、6話はあまり一緒のシーンがなかったんですが、その後に久しぶりに飛羽真とふたりのシーンで芝居をしたときに、なんとなくですけど、前とは違う感じはしました。

内藤 本当?

山口 秀一郎の作る雰囲気に身を任せて現場に入ったら、自然と倫太郎として反応できるようになった感じ。最初は相手の芝居がどうというより、自分は自分で頑張ろうってお互いに思ってたよね。

内藤 うん。

山口 自分がこうしたい、と思って演じるというか。でも、飛羽真の影響力が強くなっていたので、変わったなって思いましたね。

──逆に内藤さんから見て、山口さんの変化を感じたことはありますか?

内藤 なかなか3冊変身ができなくて悔しがってる姿と、6話終わりのズオス(本の魔物のひとり)にやられたときの顔を見て、こんな芝居ができるんだ!って、鳥肌が立つくらいの衝撃を受けました。

倫太郎って結構、説明台詞が多いけど、そこから台詞に対しての重みを感じるようになりましたね。

山口 6話の終わりは、台本を読んだときにそういういいシーンを作り出せるとは、僕自身思っていなかったんです。

上堀内監督に「動きとかを気にしなくていいから、気持ちを出してほしい」と、本読みのときから言われてたので、顔も気にせず悔しさを本気で出そうと思って演じたんです。

内藤 そう! あのとき、すごく堂々として帰ってきたんですよ。「俺、やってきた!」ってすごい言ってたけど、本当に、すごくいいシーンになってて。

山口 「やったな」っていうのが出てた。

内藤 そこがかわいいなって思いましたね。

山口 それまであまりそういうシーンがなかったので、「これがロケだ! これが芝居だ!」って、ちょっとドヤ顔で帰りました(笑)。

内藤 その日から、堂々と芝居するようになったよね。

山口 かっこ悪く映ってもいいって思うようになったきっかけだったので、芝居をする上でのターニングポイントだったと思います。

──監督と言えば、今回の劇場版は1、2話以来の柴崎貴行監督ですね。

内藤 1回やってみなって、まず見てくれる監督で。それを踏まえて、こうしよう、みたいなやりとりをすることが多かったですね。やりたいことをやらせてくれる監督なので、こっちがアクションをすれば何倍にもして返してくれるんです。

でも、1、2話のときは初めての現場でいっぱいいっぱいだったので、映画の現場ではいろいろと聞けてよかったです。

山口 僕はほぼ2話からの登場だったので、当時はお話する機会があんまりなくて。映画の現場でお会いしたときは、「ホモ・サピエンスよかったねぇ」って感じで(笑)。

お子さんが現場にいらしていたので、プライベートの話をたくさんした気がします。

内藤 でも今回、褒めてもらったようなことはなくて、ちょっと悔しかったです。最終回までには、飛羽真の芝居が良くなったって言ってもらえるように頑張りたいなって思いました。