撮影:山口真由子

東京・池袋を舞台に女子高生・澪(松本穂香)の恋と成長を描く青春ファンタジーアニメ映画『君は彼方』が、11月27日より公開となる。

高校2年生の澪は、本気で努力することが苦手な性格だが、幼馴染の新(瀬戸利樹)と親友の円佳と、放課後は池袋で遊んで、それなりに楽しく生きていた。

そんなある日、円佳に新のことが好きだと告げられたことで、自分も新の事が好きだったことに気づく。

3人の関係が崩れることが怖く、自分の気持ちが言い出せないでいた澪だったが、ようやく思いを伝えようと決心し、新の元へ。

だがその途中に交通事故に遭ってしまう。そして、気が付くと、目の前にはいつもとは違う不思議な世界が広がっていた――。

瀬戸利樹は本作で声優に初挑戦。主人公・澪の幼馴染で、恋の相手でもある新(あらた)を演じた。澪に対して自分が好きだという想いを伝え、その想いをはぐらかされても澪のために奔走する新の姿は、瀬戸自身の真っ直ぐなイメージとも重なるが、本人は「似ているようで、似てない部分も多い」と言う。

瀬戸はどのようにして本作と向き合っていったのか。そして、そこから受け取ったものは?一つひとつ思い返しながら、丁寧に語ってくれた。

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声優に初挑戦!

撮影:山口真由子

――脚本を読んだときの感想を教えてください。

初めて読んだときはシンプルで王道のストーリーなのですが、その中で二転、三転する出来事があって、そこが面白いな、という感想を持ちました。

それでいて登場するキャラクターもすごく魅力的で。その時点ではどのキャラクターをどなたがやるかは決まっていない部分もあったので、これは誰がやるんだろう?って、想像をしたことを覚えています。

――今回、声優は初挑戦でしたが、事前にどんな準備をしましたか?

とにかく初めてで何をどうしたらいいかさえわからなかったので、出演が決まったときに、瀬名(快伸)監督に個人レッスンをしてください、とお願いしました。

瀬名さんはご自身で声優もやられているので、そこで声優としての基礎を教えていただきました。

©「君は彼方」製作委員会

――レッスンでは具体的にどんなことをしたのですか?

普段、僕は俳優をやっているので、演技をするときは自分で実際に動きながら声を出しているんですよね。なので、まずはそれと同じように、『君は彼方』の台本を、動きをつけてやってみる、というのをしました。

そこから今度は動きを無くして声だけにすると、何が足りなくなるのか、というところで、声量や声域を意識するようにして。

思っていた以上に、アニメだと声を出さないといけないんですよね。あと、実写とは違って、アニメでは声域が変わってしまうと、違うキャラになったように感じてしまう可能性が高くなるらしくて。なのでその部分は大事に、気を付けながら取り組みました。

――最初に新の声を聴いたとき、瀬戸さんの声とはすぐには感じられませんでした。

新には大人っぽい部分があるので、僕の地声よりは少し低いところをベースに作っていきました。

なので収録では感情が入り過ぎると、新の声から外れてしまうこともあって。そうすると、自分でも、これは違ったな、と思うのですが、監督からも「もう1回」って言われて(苦笑)。でもそういう基準が自分でもわかってできていたことは良かったな、と思います。