大切な人に想いを伝えることは大事
――本作は池袋の風景をリアルに再現しているところも見どころですが、瀬戸さんは実際にアニメを観て、どのように感じましたか?
実際にある建物なども登場するので、それを知っている人は不思議な感覚になると思います。知らない方にも、この作品を通して“アニメの聖地”でもある池袋を知る機会となってくれたらと思います。
僕自身、以前、池袋の周辺に住んでいたこともあって、思い出もある場所なので、そこが舞台になるのは嬉しかったです。
――瀬戸さんにとっての思い出が詰まった場所はどこになりますか?
地元の公園かな。すごく広いんですけど、遊具とかはあまりなくて、ただの敷地みたいな感じのところで。中学生の頃とか、僕自身は反抗期がなかったんですけど、友達の家出に付き合ってそこに泊まったり。僕は親ともケンカしていないし、悪いこともしていなんだけど、放っておけなくて(笑)。
最近はなかなか帰れていないんですけど、地元の友達と遊びに行くときは、今でもその公園に集合したりもするので、すごく思い出深いです。
――澪や新と同じ、高校時代での印象的な出来事はありますか?
文化祭です。それも自分の学校のではなくて、友達の学校の文化祭に行くのが好きだった、というか、それを楽しみに高校生活を頑張っていました。
僕、同じ高校の友達より、中学の頃からの友達とずっと遊んでいたので、高校は放課後にその友達たちと会うのが楽しみという感じで。
ただそれに関しては後悔もあって、やり直せるならやり直したい、と思うくらい。
なので、今、現役の学生の人たちには、本当に学生生活を楽しんでほしいな、と強く思います。後悔のない時間を送ってほしいです。
大人になってしまうと、あの頃のようには遊べなくなってしまいますからね。
――本作への出演が決まった際、“誰もが本来の自分を探すヒント、向き合える作品だと感じました”とコメントされていましたが、瀬戸さん自身がこの作品を通して、改めて自分と向き合ったところはありましたか?
大切な人にしっかりと気持ちを伝える、ということは、改めて大事だと思いました。
僕自身、仲がいい人ほど、照れくさくてなかなかそういう言葉を言えなかったりするので。なので、そういう人たちに感謝の気持ちを伝えたいな、と思いました。
――実際に誰かに伝えましたか?
親にはすぐに伝えました。ただ友達にはまだできていないです(苦笑)。でも映画が公開したら友達にも観てもらって、それで気持ちを伝えようかな、と思います。
――本作はコロナ禍を経て、より作品に込められたメッセージが強くなった気がします。
そう思います。このご時世になって、直接会うということが、そんなに簡単にできることではなくなってしまいました。だからこそ、会える時間を大事にして、気持ちを伝えてほしいな、と思います。
――最後に改めて本作の見どころを教えてください。
映像美はもちろんなのですが、やっぱり大切な人に想いを伝えることは大事なんだ、ということが一番に伝われば、と思っています。
個人的には観ていただくのは楽しみでもあり、不安な気持ちもあるのですが、観たあとに、自分も大切な人に気持ちを伝えたい、と思ってもらえたら嬉しいです。
――ちなみにアニメ好きの瀬戸さんとしての見どころは?
殯(もがり/竹中直人)と澪のシーンです。アニメーションならではの画でもあると思いますし、ハラハラドキドキします。詳しくは言えないのですが、あのシーンはぜひ観てほしいシーンの一つです。
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「この声が瀬戸さん?」と一瞬、疑ってしまうほど、声優初挑戦にも関わらず、新というキャラクターになりきっていた瀬戸さん。“大切な人には、会えるときにその想いを伝えておく”という作品に込められたメッセージとともに、瀬戸さんが命を吹き込んだ新を劇場で感じてほしいです。
作品紹介
映画『君は彼方』
2020年11月27日(金)全国ロードショー