2:年少の4月から入園

現在最も主流とされているのが年少からの3年保育。筆者が子どもの頃(1980年代)には、母親が専業主婦という家庭が多く、周囲をみても年中からの2年保育が主流だったように思いますが、時代と共に変わってきています。

ひとり息子を育てるBさんは、年少での入園の理由は「集団生活に慣れることと、親子分離の生活の始まり」だと言います。

「保育園と幼稚園、どちらも見学に行きましたが、幼稚園は教育機関としての機能を果たしていることがメリットだと思いました。

保育園では、先生にキッパリと『保育園はあくまで保育として預かる場なので、小学校入学前に必要な学習はご家庭でフォローをお願いします』と言われて。実際には、ひらがなとかは教えてもらえるようですが、やはり幼稚園の教育指導にはかなわないのかなと。

年少から幼稚園に入れることで、小学生になる前のひと通りの教育を受けさせてもらえて、集団生活にも早くなじめるのがいいなと思いました。また、自分の性格的に子どもの教育に思い詰めてしまうところがあり、少し息抜きできる時間も欲しかったので、年少からの入園を希望しました」

Bさんは満3歳で入れようとしたものの落とされてしまい、年少でもう一度申し込みをしたそうです。

「幼稚園はその園での教育目標や行事、校風、制服を決めていて、園にふさわしい園児を募集して、入園希望者もその園の特色に魅力を感じて希望して入園するから、ある意味Win-winの関係ですが、いくら希望しても園側がふさわしくないと判断すれば落とされるから、必ず入れるとは限らない。実際、我が家も第1希望は落ちてしまいました。

今は少しずつ園の生活になじんできて、よかったなと思っています。デメリットとしては、やはり教育の場なので、ちょっと言葉が周囲より遅れていたり、発達に問題があると、ついていけなくなる心配はあるかもとは思います」

年少ともなるとおしゃべりも上手になり、動きも活発です。そんな時期からたくさんの人と触れ合い、教育を受けることで、ぐんぐんと子どもが成長していくさまを見られるのは楽しみですよね。

3:年中の4月から入園

かつては主流だった2年保育の年中からの入園。今では、年度の途中での転勤などでもない限り、年中からの入園を選ぶ人は周囲の幼稚園ママたちの体感では少ないそう。

ただ、自分自身で子どもの教育だったり、1日のスケジュールをしっかり管理したい、面倒をみたいという親にとっては、幼稚園はあえて2年保育を選ぶということもあるかと思います。

また、成長の度合い的に、幼稚園に入るにはまだ心配が多いという場合も、無理をせず本人のぺースに合わせて年中から…ということもあるでしょう。

ひとり娘を年中から入園させたCさんに、その理由について伺いました。

「もともと月2回ほどのプレ幼稚園に通わせたり、リトミックなどの習いごとを始めてみたりと、早いうちから集団生活に慣れてほしくてあれこれ参加していたんです。ただ、どこであっても基本ずっと泣いて離れないことが続き、他の子のようにうまくなじめませんでした。

幼稚園は、入園後もあまりにも親子分離生活で泣いていたり、友だちと協調できなかったら、退園になると聞いていたので、無理に満3や年少で入れるよりも、成長に合わせてもう少し親がいなくても友だちとうまく生活できる目途がたってから入れようと思い、そのタイミングは年中かなと思いました。

年少のときはオムツもまだとれていなかったので、そのプレッシャーもあって、それならゆっくりでいいかなと思ったんです」

3年保育が主流の中、年中から入れることのメリット・デメリットはどんなことでしょうか。

「3歳~4歳くらいは言葉の成長が著しい時期なので、そばで見ていても面白かったです。また、がんばって入園までにオムツをはずさなきゃという焦りや、幼稚園バスに乗せるために朝急がせたりしなくていいので、マイペースに子どもとの毎日を過ごすことができたのもよかったです。

デメリットとしては、すでに年少から来ていて集団生活に慣れているクラスのお友達と比べても大分マイペースだったり、最初はトラブルもあったりしたので、やはりなじむまでに少し気を揉むというところでしょうか。

それとやっぱり幼稚園に行かせていれば自分ひとりの時間も持てるところをがっつり1日ずっと一緒という毎日で、平日息抜きできることがあまりなかったので、ストレスは多かった気がします。

周囲のお友達もみんな年少から入っていたので、昼間遊べる友達もいなくて、本当に親子1対1で。とても大変でしたが、過ぎてみれば、今後あそこまで密度の濃い時間を親子で過ごすこともないと思うので、いい思い出です」

特に早生まれだと、周囲のお友達と比べると成長が遅いなと感じることもありますよね。そういう場合は、年少からが主流だからとこだわり過ぎず、子どものペースに合わせてあげるのも手です。

それぞれの良さがある、幼稚園の入園時期。今はプレ幼稚園といって、幼稚園入園前の子どもを対象にした月2回~週3回ほどの慣らしクラスがある幼稚園も多いので、幼稚園の雰囲気や、どんなことをやるのか、我が子はなじめそうかどうかを本格入園前に確かめることができます。

幼稚園の方針と子どもの個性が合っているか、また子どもの成長度合いはどうかを見ながら、最善の園と入園時期を決められるといいですね。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。