乳幼児のなかには、遊びの輪の中に入れなかったり、習い事から泣いて逃げ出したりするなど、いわゆる「場所見知り」な子がいます。
しかし、これを放置しておくと、より消極的になり、保育園や幼稚園に通園できなくなってしまう可能性もあります。
そこで今回は、場所見知りを改善するための対策を、育児アドバイザーに聞いてみました。
やりがちなNG行動
「そのうちに慣れて遊び始める」からと、無理矢理グループに参加させてしまうママもいるかと思います。しかし、本人が楽しくなければ逆効果で、次から行くことを拒まれることは多々あります。
「ほかの子は遊べるのに、なんでアナタは遊べないの?」など、集団での遊びに参加できない子どもを、積極的に参加できる子を比べてしまうのもNGです。「泣くなんておかしいよ」などと励ますのも、子どもを追い詰めてしまいます。
一方、ママ友に「うちの子ほんと嫌になっちゃう」と愚痴をこぼすのもやめましょう。
子どもは一見聞いてないようでも、親の言葉に敏感に反応します。ただでさえ初めてで不安な場所なのに、味方であるはずのママに否定的なことを言われると、さらに気持ちが沈んでしまいます。
そして、そこが「嫌な場所」だとインプットされてしまいます。
遊べるようになるための親のするべき行動
繊細な場所見知りの子も、ママやパパが根気よく接すれば、しだいに慣れてきます。その第一歩は、子どもの気持ちに寄り添うことです。
「初めての場所」は、子どもにとってストレスがある場所だと理解してください。大人でも、初めての場所やグループ、パーティ等は緊張するのと同じです。しかし、多くの親は、根拠なく、子どもだから大丈夫だろうと考えてしまいがちなのです。
また、子どもの性格にも、多種多様な性格があることを理解しましょう。もちろん、すぐに周囲に打ち解けられる柔軟な子もいます。しかし、集団が苦手な、繊細な性格の子もいるのです。親に社交性があっても、その子も同じとは限りません。
新規の場所へ行ったり、グループに参加したり、初めての人に会うときは、いきなり連れていくのではなく、事前に話しておきましょう。それだけで、子どもも心づもりができます。
児童館で実践!「場所見知り」レッスン
1.前の日
前日に「明日は、児童館に行ってお友だちと遊びましょう」と話します。
2.言葉がけ
児童館に行ってみて、泣いたり、ママから離れようとしなかったりする場合は、言葉をかけましょう。「はじめての場所で不安だよね。でも大丈夫だよ」と、まず子どもの不安を理解することが大切です。
3.落ち着いてきたら
子どもが落ち着いてきたら、みんなが遊んでいる様子をじっと見ていたりします。やがて、「遊びたい」と好奇心が盛り上がり、徐々に遊び始めます。それまでは、ゆっくり待ちましょう。
ほかの子に「遊ばないの?」と、聞かれたら「今、心の準備中なの。もう少ししたら遊べると思うよ」と、ママが代わりに答えましょう。
どうしても遊びに参加できない場合は、最初はママと一緒に、遊び始めてもいいでしょう。やがて遊びに夢中になり、ママから離れていきます。