原作と蒲江への突き抜けた愛。それに応じた人たち
■すごいポイントその4「原作へのこだわり」
原作ゲーム「かまいたちの夜」へのリスペクトは、細部にも宿っています。例えば、アンケート回答(3月21日〆切)の抽選商品のひとつである「ゲームパッケージ風の箱」は外観だけでなく、サイズも原作と同じ!
本編中も、メタ構造な「島編END3」や、雪山遭難をパロディにした「アクティビティ編END6」など、観光PR動画では通常あり得ないものの、ゲーム好きには面白い展開が用意されています。
さらに商品紹介&購入ページ。これは原作ゲーム説明書の「中村光一さんのすすめ」ページが元ネタ。ガチのゲーマーである筆者もこれは気付かなかったです!
「中途半端だと失礼に当たるから」と、とことん突き詰めた結果、不安だった原作ファンからのクレームは一切なかったそう。ここまでやる意気込みにむしろ敬意を感じた人が多かったのでしょう。
逆に原作を知らない人でも楽しめるよう、ゲーム内のテキスト表示スピードの調整なども念入りに行なわれたそうです。
■すごいポイントその5「周りの人々の協力」
「かまえにたちよる」は、原作となった「かまいたちの夜」を制作したゲーム会社、スパイク・チュンソフトが正式許諾している点も話題ですが、事前にスタッフ内に関係者はいませんでした。
公募案の段階で初めて飛び込んで相談したそうです。「地域振興に協力できるのであれば」と非常に寛容であり、加えて公式SNSでのサイトの紹介など、多岐にわたり協力してくれたそうです。
またグルメ編の途中、正栄堂製菓の店長によるギター演奏&生歌披露があります。実はこれ、歌手・南こうせつさんの替え歌。
動画掲載のため南こうせつさんのマネージャーさんと連絡をとり、大分出身というご縁もありこちらも快諾いただいたとのこと。突き抜けたものを作ろうとする愛と情熱に、多くの人が動かされたのですね。
■すごいポイントその6「蒲江の人々の優しさ」
ゲーム内に登場する人は、皆さん実際に蒲江にいる方々です。厳しいスケジュールでの撮影(行程わずか3日!)に加え、やや誇張したシナリオにも嫌な顔一つせず、大変協力的だったとのこと。
公開後も地元の方々から好感の声が届きました。さらにほかの地域からも「行政が尖ったイベントをする、観光PRの新しい形だ」という高評価が寄せられています。実際の観光・地域振興の側面でも、サイトを通じて商品を購入したり、近隣から食事に来たりする人もいるそうです。
ぜひ、「かまえにたちよる」で蒲江を予習して、新型コロナウイルス感染症予防をしっかりとって、「かまえにたちよる」聖地巡礼をしましょう。海の幸や朗らかな人々など様々な魅力の詰まった蒲江を堪能してみてください。
(イベニア/高柳優)