今年、設立55周年のメモリアルイヤーを迎えるアニメスタジオ、タツノコプロ。
数多くの人気アニメを生み出した同スタジオは、実写映画『破裏拳ポリマー』の公開や、歴代タツノコヒーローが集うクロスオーヴァー作『Infini-T Force』の放映を控えるなど、創設から半世紀を超えた今も尚、意欲的な作品を世に送り出し続けています。

歴代タツノコアニメといえば、その作品性やキャラクターは勿論のこと、バラエティに富んだ主題歌も魅力の一つ。そして、その歴史を振り返ってみれば、参加アーティストの豪華な顔ぶれがまずは目を引きます。

有名アーティストが手掛けてきたタツノコアニメの名曲たち……、"タツノコアニソン"のオススメ楽曲を厳選してご紹介します。

ささきいさお『たたかえ! キャシャーン』(『新造人間キャシャーン』)

アニメソング界の超大御所シンガー、ささきいさおさんが歌うタツノコソングというと、『戦え! ポリマー』(『破裏拳ポリマー』OP主題歌)も素晴らしいのですが、昭和のタツノコアニメを知らない若い世代に一曲薦めるとしたら、やっぱりこの曲! 『新造人間キャシャーン』主題歌の『たたかえ! キャシャーン』です。

燃えるようなオーケストラサウンドをバックに、ささきさんの高らかで伸びの良いヴォーカルが乗るこの曲は、昭和のアニソンを象徴する名曲の一つ。悪に立ち向かう主人公のヒロイックな姿を描くストレートな"ヒーロー賛歌"な楽曲ですが、シリアスな作品性を反映してか、どこか悲壮感が漂うメロディが、この曲の魅力になっています。

「たった一つの命を捨てて、生まれ変わった不死身の身体。鉄の悪魔を叩いて砕く。キャシャーンがやらねば誰がやる!」というナレーションも込みで、とにかくカッコ良過ぎる一曲です。

水木一郎、フィーリング・フリー『ローラーヒーロー・ムテキング』(『とんでも戦士ムテキング』)

ささきいさおさんと並び立つアニソン界の重鎮男性シンガーといえば、やはり、"兄貴"こと水木一郎さん。

水木の兄貴も、幾つかのタツノコアニメで主題歌を担当しているのですが、今回はその中でも「隠れた名曲」的な扱いを受けているこの曲をピックアップさせていただきます。

この曲が使われていた『とんでも戦士ムテキング』は、アメリカナイズドされた世界観とギャグセンスを持つヒーローコメディで、作品世界に合わせて、楽曲もソウルフルな女性コーラスが耳に残る都会的で、ちょっぴりお洒落な曲調となっています。

水木一郎さんというと特撮ヒーロードラマやロボットアニメの主題歌で聴くことができる熱血シャウトが先ずは思い出されるかと思いますが、この『ローラーヒーロー・ムテキング』のようなブラック・ミュージックの影響を感じさせる歌モノナンバーを歌っても、その歌と声の存在感は抜群。

水木さんのずば抜けた歌唱力をタップリと堪能できるという意味でも、絶対に聴いていただきたい楽曲です。