新学期が始まってしばらく経ち、そろそろ子どもの緊張がとけてきた頃。でも、体はまだ本調子ではないかもしれません。子どもが最近「便秘がち」という家庭もあるのではないでしょうか。
また、コロナ禍による生活環境の変化やストレスによる影響もあるのかもしれません。
NPO法人日本トイレ研究所が2020年11月に実施した「小学生の排便に関する記録調査」では、排便記録を10日間行い、分析したところ、小学生の4人に1人が、便秘の疑いがあることが分かりました。
便秘が疑われる硬い便である「1 ころころ」または「2 ごつごつ」が10日間で2回以上あった子どもが24.6%を占めていました。
この調査結果を受け、ユアクリニック秋葉原院長で小児科専門医の杉原桂先生は、次のようにコメントしています。
杉原桂先生(以下、杉原)「コロナ禍以降、家庭内環境が変わった、外で思いっきり遊べない、友達になかなか会えないなどのストレスにより、便秘を発症するケースが多く見られました。
コロナ禍のストレスに加え、入園・入学・新学期のタイミングは、生活環境が大きく変化し新たなストレスになることもあるため、特に注意してください。
『新生活の緊張』『学校のトイレに慣れない・恥ずかしい』『登校前にトイレに行く余裕がない』といった原因がさらに便秘を悪化させてしまう場合がありますので、便秘が気になる場合は、今のうちに対策をしておく必要があるでしょう」
最近の我が子の様子に「新生活の緊張」「学校のトイレに慣れない・恥ずかしい」「登校前にトイレに行く余裕がない」の3つがあてはまっているのなら、気になりますよね。
毎日排便があっても便秘の可能性がある!?
「うちの子は、毎日うんちが出ているから大丈夫ね」と思ったママもいるかもしれません。でも、杉原先生によると、子どもは毎日排便があっても便秘でないとは言い切れないそうです。
もし、次のお腹の不調サインがあるなら、便秘の可能性もあるといいます。
- 排便が週3回より少ない、または5日以上でない
- 排便を痛がる
- 排便時に肛門が切れ、出血することがある
- 硬い便やコロコロの便が出る
- 少量の便が頻繁に漏れ出ている
杉原「子どもが便秘であっても、本人はなかなか自己申告できないため、特に低学年のうちは、親が排便の変化に気付いてあげる必要があります。
子どもの便秘というと排便回数に目が行きがちですが、毎日排便があったとしても、便秘の可能性があります。
お腹が痛い、おならが臭い、食欲が低下するなども便秘のサインといわれています。お子さんの毎日の状態を把握し、『いつもと違う』と感じた場合には、医療機関で診察を受けることをおすすめします」