「人間を生きないと」って言われてハッとしました

ーー落ち込んでいるワニをネズミがさりげなくツーリングに誘ったり。改めて友情っていいなとも思いました。おふたりは友達に励まされた思い出はありますか。
中村 俺、励ますことは多いけど励まされることないな。何でかって言うと、自分がヘコむこととかあんま人に喋んないんですかね。
山田 なんかできそうと思っちゃうのかも。倫也さんなら自分で解決できそうって。
中村 だからあんまり自分から相談するということはないですけど。ただ、何にも話さずに、何にも聞かずに、一緒に飲んでくれたりとかね、カラオケ付き合ってくれたりとかね。そういう思い出はありますね。
山田 それいいですね。
中村 一緒になって上脱いで尾崎(豊)歌ってくれたりとかね。
――中村さんにもそんな時代があったんですね。
中村 そう。そんな時代もあったねと。
山田 それは中島みゆきさんです(笑)。
――山田さんは友情に厚いイメージがあります。
山田 人並みだと思うんですけど、友達が落ち込んでいるときに支えてあげられたらいいなとは思います。でも、みんな最終的に自分の人生は自分で選択していくわけですから、僕にできることってそんなないとは思う。
自分から「あれ、どうなったの?」と聞くタイプではないけど、相手から「聞いてよ」と言われたら、ちゃんと聞ける人でありたいですね。

――おふたりにとって、親友と言うと誰が浮かびますか。
中村 生田斗真と、小中高ずっと一緒の幼なじみですね。その幼なじみは、メイクの仕事をやっているんで、たまに現場にも来ています。
山田 僕も地元の友達ですね。芸能界で言うと、吉沢亮と福士蒼汰。
中村 そこ仲良いんだ?
山田 僕が『海賊戦隊ゴーカイジャー』をやっているとき、ふたりは『仮面ライダーフォーゼ』をやっていて、仲良くなりました。あ、そうだ、この間、蒼汰から「裕貴、仕事ばっか頑張りすぎてもダメだよ」と言われました。「人間を生きないと」って。それは、めっちゃハッとさせられましたね。
死の前後を描くことで救われる人がいると思った
――では、最後に改めてこの『100日間生きたワニ』への想いを聞かせてください。
中村 オファーをいただいたときは、流行ったから映画化かな?と思ったんですよ。でも、監督や製作陣の想いにふれて、改めて偏見なく原作を読んだときに、どうしたって死というものが真ん中にあるこの作品の前後を描くことで、もしかしたら救われる人もいるだろうし、改めて見つめ直すこともあるだろうなと思って。
今ってどんどん価値観が変わっていってるじゃないですか。僕自身、年齢もあるのかもしれないですけど、「ありがとう」とかちゃんと言えるうちに言おうみたいなことが変化としてあって。そんなふうに生きていく上で大切なものがほんのりと匂ってくる作品になっているんじゃないかなと思います。
山田 僕も流行ったから映画化したんだろうなと、最初はまったく同じこと思ったんですよ。でも倫也さんの言う通りで、台本を読むと日々のこととか生きることとか考えさせられて。
今、30歳で、デビューから10周年経って、出演作品も100作を超えて。僕は何のために生きているのかということを最近すごく考えるようになったんですね。もちろん観てくれる人のために映画なりドラマなり作品に参加しますけど、それで自分が幸せかどうかなのかを考えたときに、ずっと作品や人のことばかりを考えて、僕自身のことを考えられていなかったことに気づいて。
そんなときにこの作品のお話をいただいたことにご縁を感じたというか。もっと僕は僕のために生きていいのかもしれないと、アフレコをしながらそんなことを考えていました。観ている人にも何かそんなことを少しでも感じてもらえたらうれしいですね。

映画『100日間生きたワニ』は7月9日(金)より全国公開!
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