「稽古場は恥をかいていい場所だ」
って、地球ゴージャスのときに初めて言われたんだけど、そう言われても、人前でお芝居するのは、やっぱり緊張しちゃうんです。
毎回、「ミラチャイ」でも話すんだけど、稽古のときに緊張したり、“恥ずかしい”っていう思いが、やっぱり出ちゃう。
だけど今回は緊張というものがなくて。稽古が始まって3日目くらいに私も合流したんですが、すでに稽古場にフレンドリーな空間ができていて。だから緊張しなかったんだと思うんです。
ダンサーさんや、BBBの皆は、今回が初共演だけど、お互いの名前は知っているという関係だったから、初めから皆が、チームワークがよかったんです。そこはメンズたちに助けられました。
やっぱり演出の今人さんや、梅棒さんたちがそういうフレンドリーな空間を作ってくれているからだろうなって、稽古場で感じてました。
ーー佐江ちゃん演じる“スンミ”という役柄は、今回どんなふうにつくっていったんですか?
“スンミ”という役柄は、“強い女性”というキャラクターがしっかりとあるから、いい意味でも悪い意味でも、「こうして、ああして」っていう指示は、今人さんからあまり言われませんでした。
舞台では、舞台バージョンのスンミをやらせていただいてます。もちろん、スンミの芯の部分は、原作のコミックと変わりません。
“気が強くて、感情をうちに秘めている”のが原作コミックのスンミなら、舞台では“悲しい”“嫌だ”“助けて”っていう感情を、表に出していこうと思っていて。
スンミという女性が、どう物語を動かすか。稽古中はそれをすごく考えて、自分でそのときに思った感情を出してみて、どの表現がいいか今人さんに判断してもらってました。
今回は基本的には、自分から出している芝居でやらせていただいていて、その点はいつもと違う部分というか。これまでは演出家さんに言われたことに、近づけていくようにして役柄を組み立てていったから。
よかったなと思うのは、スンミの内に秘めた感情を表に出してよかったこと。“気が強いけど、心の中ではさみしさをもっている”というのだと、表現するのはとっても難しくて。
原作を読んでいる人ならわかっても、読んでいないと“ずっと気が強いままで、何だったんだろう?? ”って、観ている人に疑問が残っちゃうと思うんです。
やっぱり舞台だからこそ、感情をオープンに出せて、役としてよかったなと思います。そうじゃないと、パワフルな他の役柄たちを動かせないなとも思ってるんです。
ーー確かに全員パワフルな方ばかりですよね。役柄としてもパワフルですが、各分野のプロの方から受けるものはすごいものがありました。
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