「放任主義の育児」「ほったらかしの育児」は、近年よく耳にするようになった育児論です。
過保護な育児は子どもの自立心などを潰すと言われているものの、極端な子どものほったらかしや放置はかえって子どもの心の成長に影響を及ぼします。
実際、子どもを放置している家庭を見てみると、精神面や健康面、安全面などにさまざまな問題が見られます。「過保護は良くないから」と極端に放置することは危険といえます。
そこで今回は、子育てで重要な、子どもの良い成長を促す「放任主義の育児」と、単純な「ほったらかしの育児」の違いをわかりやすくまとめました。
「放任主義の育児」とは
まずは、子どもの自立心を促すなど、良い成長を促すとされる「放任主義」の育児についてご紹介します。
子どもの状況には目を向けるものの、口や手は出さない
放任主義の特徴として、まず挙げられるのが「目を向けつつ、口や手は出さない」というものです。
子どもが何をしているのか、何を選ぼうとしているのかなど、おおよその状況を把握しているものの、親が「こっちから進めたら」「それはあまりおすすめしない」など、口や手を出さないのが放任主義です。
選択を誤っても、それは子どもにとって勉強の一つ。一定の距離をとって見守るのが放任主義といえます。
ただし、危険行為や迷惑行為などはその場で止め、注意します。
宿題の進め方や勉強計画は”促す”にとどめる
子どもの宿題について、「〇時にここまで進めて」「△時までに済ませて」「この次に~…」と全て指示したくなるママは多いです。
しかし、子どもの自立心を育てるためには、宿題の進め方や勉強計画は「促す」にとどめることが大切。なぜなら、「親から指示されないとどう宿題を進めたらいいのかわからない」といった子どもになる可能性があるためです。
「19時にご飯にするからね」「今日の宿題は時間かかりそうなの?」など、遠回しに宿題の進行を意識するような言葉かけを意識してみてください。
必要なルールやマナーはきちんと伝える
教育において重要なのは「ルール」「マナー」などです。放任主義は、子どもの身の回りには口を出しませんが、生きていくうえで必要なルールやマナーなどには厳しい傾向にあります。
「危険なトラブルに巻き込まれないためのルール」「人に迷惑をかけないためのマナー」などは、子どものうちからきちんと教えておかなければなりません。
また、ルールやマナーを守らないようであれば、その都度「叱る」といった対応も重要です。
子どもに関わる選択の決定権は常に本人
放任主義の大きな特徴の一つが、子どもに関わる選択肢は子どもに握らせてあげるという点です。
進路や始めたい習い事、自由研究のテーマなど、選択の大きさに関わらず、子どもに直接関係する選択の決定権は、常に本人が握っています。
そのため、子どもは自分が興味を抱いている分野を、より深堀りしていく力が身に付くのです。
また、親の顔色を伺いながら方向性を選ぶこともなくなります。どのような選択肢を選んでも親が背中を押してあげれば、自己肯定感も高くなるでしょう。