さらにオススメしたい料理を発見!
もうひとつ特筆すべき料理があった。特製和風テールスープである。
この店のテールスープには、とろとろになるまでじっくりと煮込んだテールが入っていた。テールに付いた肉を歯でこそげとるようにして食べる。滋味あふれるテールが滅法美味い。
麦飯はおかわり自由なのがうれしい。1杯目はとろろをかけて食べ、2杯目はテールスープをかけることにした。
テールの出汁と、ほんのりと塩がきいたスープをかけた麦飯は、想像以上に美味かった。
「ご飯にスープをかけるなんて下品だ」だとか、「恥ずかしい」とかいう前に、やってみる価値がある。
「絶品牛たん」を生み出す“技”
この店が入っている東京交通会館の地下1階には、洋食や中国料理などの名店が軒をつらねている。片や、太助有楽町店は今年(2021年)7月に4号店としてオープンしたばかり。
東京交通会館でこそ〈新参者〉だが、「牛たん焼 杜の都 太助」の由来は1988(昭和63)年にさかのぼる。
仙台牛たん焼発祥店で2年間修業した人が、昭和63年に1号店を都内に開いた。いまでこそ仙台牛たん焼は全国区だが、当時その存在は仙台以外ではほとんど知られていなかったようだ。
1号店の店長が発祥店で学んだ技を、4号店でも立派に継承していると渡浩平店長は胸を張る。いったいどんな技を受け継いでいるのか。渡店長に尋ねた。
「1本1本下処理した牛たんを1枚1枚厚めに切ります。それを塩ベースの調味液で味付けをし、低温熟成。寝かせることで旨味を凝縮させた牛たんを強火で焼き上げる。それが、うちの仙台牛たん焼です」
焼肉屋ではスライスした牛たんを塩もみすることはあっても、寝かせずに提供するのが一般的。一方、仙台牛たん焼発祥店では熟成させていた。
牛たんをよりおいしく食べてもらうために考えられた秘伝の技を、「牛たん焼 杜の都 太助」も創業以来頑なに継承しているのだそうな。厚めに切った牛たんをただ焼くだけではないからこそ、噛めば噛むほど味わい深い牛たんを愉しめる。
コロナ前、筆者は1年に一度は仙台へ行き、帰りがけに牛たん屋の暖簾をくぐってきた。久しぶりに食べたが、「仙台牛たん焼はこんなに美味かったのか」と舌を巻いた。焼肉屋の牛たんとはひと味もふた味も異なる、こりこりの食感がこたえられない。
この店では、仙台牛たん焼の弁当(1,200円~)も提供している。
「予約していただければ、来店時間に合わせて焼きたての牛たんをご用意します」
牛たんと一緒に麦飯、漬物、南蛮味噌が愉しめる。とろろとテールスープは付いていないが、別途オーダー可能だ。
自宅で、あるいはどこかでピクニック気分で仙台牛たん焼をほおばるのもまた一興。
牛たん焼 杜の都太助 有楽町店
住所/東京都千代田区有楽町2-10-1東京交通会館地下1階
電話/03-6206-3673
営業/11:00〜15:00(土日祝日〜16:00)/17:00〜22:00(土日祝日〜22:00)
定休日/年末年始
塩セットの他、仙台味噌を使った「味噌セット」(1,300円〜)、「塩・味噌セット」(2,150円)もある。価格はすべて税込