「原点回帰」で思い知らされる“本物のホラーハラスメント”

救急車で運ばれた先がここだったら絶望する

戦慄迷宮の前に到着すると、私たちの他に男の人がひとり入ってきた。

待合室で注意事項が流れると、別になにもないのにさっきの男の人が「わっ!」と声を上げたので、こっちもビクッ!となった。コラやめろ。

プレショーを観ている時に、なんとなく重苦しい空気が漂ってきた。消毒液の臭さとまばらに当たる冷風。何となくダルい。

ふと横をみると、Cちゃんもいつになくどんよりしている。

廃病院らしい荒れぶり

プレショーが終わると、診察室に移動。

ふたりでベンチシートに腰を掛けると、なんとなく落ち着かなくなった。

 

ざわざわ。 ざわざわ。

 

あれ、おかしい。

今まであまり、こういう胸騒ぎは起きたことがない。

どこもかしこもリアル

「ねぇ、Cちゃん、なんか今日いつもより怖くない?」

「う、うん。私もさっきからずっと思ってる」

「やだ、まだ何も始まってないのにヤバいね……」

「なんか……気持ち悪い……吐きそう」

「えっ!! さっき美味しいもの食べた後なんだから吐かないで!!」

手術室っぽいドア

そんな会話をしていると、私たちの番が来た。