見直しに備えた住宅ローン計画

まだどのように改正されるか決まっていないですが、いずれ逆ザヤを解消する方向には変わっていくでしょう。

ただ住宅ローン控除そのものなくすのではなく、支払い利息額を考慮して控除額を設定する等の控除額や控除率の見直しです。

逆ザヤを多くしようと必要以上の住宅ローンを組むという事がないように、ということなので、改正前に慌てて住宅を購入するのではなく、自分に必要な住宅ローンがどのくらいかということを考えるのが大事です。

逆ザヤねらいの過剰な住宅ローンが住宅の価格を押し上げるという場合もあるので、住宅ローン控除額の多寡より先に、どれくらいの資金が手元にあり必要な住宅ローンはいくらなのかを確かめ、まずは借りすぎないことを考えましょう。

住宅ローンを組むときに大切なこと

ファイナンシャルプランナーとして活動していく中で、住宅ローン控除を最大限受けようと限度額いっぱいの住宅ローンを組んだ人をみたことがあります。

建てた場所や広さに比べて過剰と感じるローンで凝った家を建てたようですが、数年後には家族の仕事なども変わり返済に苦労するようになったそうです。

節税メリットを最大限受けて、控除の期間を過ぎたら繰り上げ返済しようとも考えていたようですが、計画がうまくいかなくなることもあるので、必要以上の借金は長い間の重荷になります。

目先の損得にとらわれず、求めるライフスタイルとのバランスを大切に。まずは自分の人生の中で必要な住居とその価格がどれぐらいなのかを考えて、資金計画を立てるようにしていきましょう。

【執筆者プロフィール】柴田 千青

キッズ・マネー・ステーション認定講師/1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、精神保健福祉士

出産退職を機にメーカーの技術職から独立系ファイナンシャルプランナーに転身。金銭教育を中心に、ワークショップやセミナー講師や執筆を行っている二児の母です。

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション