確定拠出年金の拠出限度額
確定拠出年金には、企業・加入者それぞれの拠出額に上限があります。拠出限度額は、それぞれ以下になります。
・企業型DCにのみ加入する場合:月5.5万円
・企業型DCと確定給付型(DB、厚生年金基金等に加入する場合):月2.75万円
iDeCoを併用する場合は、これらの上限額からご自身が加入する企業型DCの事業主掛け金を引くと算出されます。
しかし、それぞれ上限が企業型DCにのみ加入だと「月2万円」、企業型DCと確定給付型だと「月1.2万円」ですので、自分の加入状況と照らし合わせてみてiDeCoを併用しましょう。
その他の法改正によるiDeCoの拡大
企業型DCとiDeCoの併用が可能になること以外にも、法改正により制度の拡大を予定しています。
iDeCo加入可能年齢の拡大
2022年5月から、iDeCoの加入可能年齢が拡大されます。
現在は60歳未満が対象ですが、国民年金被保険者であれば65歳まで加入することができます。
掛け金積立期間の5年延長
2022年10月から、掛け金の積立期間が5年延長されます。現在は60歳までしか掛け金の積立ができませんが、国民年金被保険者であれば65歳まで掛け金の積立が可能になります。
この改正は、50代からiDeCoを始めた方など、積立期間が10年以下しか取れない人にとってはとくに朗報です。
加入可能年齢の拡大と掛け金積立期間の5年延長は、それぞれ60歳以降も「国民年金被保険者」であることが前提になります。聞きなれない用語ですが、60歳以降も厚生年金保険料を払うような働き方をする人のことを指します。
60歳以降は働かない、または働いても厚生年金保険料を払うような働き方をしない場合は、これらの拡大措置の適用対象外となりますので注意が必要です。
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人生100年時代と言われる昨今、お金の心配をしないで済む老後生活を送るには今からこつこつ準備しておくことが大事です。
子育て世代はどうしても目の前の教育費や住居費などに意識がいきがちですが、人生を少し俯瞰して、ぜひ早めに備え始めましょう。
【執筆者プロフィール】
田端 沙織
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャル・プランナー
証券・運用会社で10年以上の勤務経験を活かし、FPサテライト(株)所属ファイナンシャルプランナー 兼 金融教育講師として、「正しく・楽しく・分かりやすく」お金のことや資産運用について伝える活動をしています。得意分野は資産運用。2男1女を絶賛子育て中。