冒頭にもお伝えした通り、学区内の地域住民は同じような価値観や志を持った親が多く、挨拶がしっかりでき、生活マナーが良く、学校行事やPTAにも積極的に参加するなど、子どもが生活するには良い環境があります。
更にはPTA活動の一環として、通学路や公園の安全を確保するため、親が交代で見回りをする制度を取り入れている学区もあり、安心安全まで得られるとなれば人気を集める理由も分かるような気がしますね。
つまり「自宅から近い」「優れた教育環境と生活環境」これらが得られる公立小学校が人気を集めている理由なのです。
人気学区ができた由来と、公立小入学を目指す人の家庭環境とは
そもそも公立の人気学区が出来た由来とは何でしょうか。
東京の都心部の場合、国家公務員宿舎や一部上場企業の社宅が多いエリアにある公立小学校は自然と教育熱心な親が集まりやすく、その名残りが今も残っています。
そうでなくとも、収入が高くなければ住めない地価が高く家賃の高いエリアについては、おのずと親の学歴も高く、教育熱心な人が集まりやすいため、そういう場所に存在する公立小学校も教育環境が良く、人気となっています。
都心と郊外では人気学区ができた由来や傾向は違いますが、共通して言えることは「教育熱心」で「生活環境が良い」ということ。
決して、お金を掛けずに子どもに良い教育環境を与えようと考えている人が集まっている地域ではないということです。
そうは言っても、子どものために家まで買って引っ越すとなれば、ある程度のお金がなければ出来ません。ですから、傾向としては「公立小移民」の家庭は裕福な家庭が多いということが言えるのかもしれません。
このように、ひと昔前は、レベルの高い優れた教育環境のある学校へ行きたければ私立を受験するのが一般的でしたが、近年はそれが叶う公立の小学校に注目が集まっています。
ある人気の公立小学校では、需要が供給を上回っているという事態に陥っており、教室が足りないなどの問題が発生していますが、その過熱ぶりは異常とも言えます。
しかし公立小移民の人へインタビューをしている中で感じたことは、「少しでも良い環境で勉強してもらいたい」とひとすじに思う親心です。子を思う気持ちはどの親も無限だと感じました。
また「教育は与えられるのではなく、選ぶもの」と断言していたお父さんもいましたが、その言葉通り現代は教育も選ぶ時代です。義務教育であれ、選ぶ時代になってきたのだと実感しました。
引っ越しまでして学校を変えることには賛否両論ありますが、一番大切なのは「子どもの気持ち」です。子どもの気持ちを無視して親が突っ走ることだけは避けたいですね。
子ども達が自分らしくのびのびと学べる環境が持てることを心よりお祈りいたしております。