料理が苦手だったり、あまりしないというママに「パプリカと赤ピーマンの違いは?」「カレイとヒラメの見分け方は?」「素麺と冷や麦の違いは?」などと質問しても、正確に答えられる人は多くはないと思います。
子どものしつけも同じだと思います。
◯歳児のママは親としてもまだ◯年目。例えば、「“怒る”と“叱る”は違います。子育ては怒らないで、叱りましょう」と言われますが、何だかよくわかりませんよね。
子どもにとっても
・叱られる
・怒られる
・注意される
・指摘される
・脅される
これらはどれもこれも、されていることは同じように感じていると思います。
今回は、この「怒る」と「叱る」の違いや、親がやりがちな“良くない叱り方”について、『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
「怒る」と「叱る」の違い
「怒る」は、腹を立てて感情的になり、自分のイライラを相手にぶつけることです。
自分の怒りを鎮めるためなら、相手がどんな不愉快な思いをしようと関係ないわけです。
一方「叱る」は相手のためを思い、よりよい方向に導くために教え諭すことです。
他力本願・責任転嫁…こんな「叱る」は良くない
「ほら、バスの中で騒いでいると運転手さんに怒られちゃうよ」
「前にいるおじさんが怖い顔して見ているから静かにしよう」
など、「他人の力を借りてしつける」ことも良くないと言われています。
子どもにしてみれば「ママはあなたの行動は悪いことだとは思っていないけれど、あの人が怖い顔をしているから言うことを聞こうね」と言われているのと同じだからです。
要は「親の責任で、親の言葉でしつけましょう」ということです。これは確かに正論です。でも、そこにだけこだわっていては疲れてしまいます。
わが子だからこそ、親としての責任や愛情といったさまざまな感情が入り乱れ、つい声を荒らげてしまうこともあるでしょうし、他人の力を借りたりすることもあります。
また「怒る」と「叱る」の違いを使い分ける気持ちの余裕がないこともあります。最初は冷静に叱っていたつもりでも、次第に感情が高ぶり「怒り」はじめるなどハードルが高いものです。