圧倒的な身体能力と、チャーミングな魅力を持ち続けてきたクォン・サンウは、まじめだがどこかとぼけたところのあるテヨン役を好演。コミカルなやりとりで笑わせつつ、重要な裁判シーンでは誠実で熱い弁論を見せて感動を誘う。ソン・ドンイルと組んだ映画『探偵なふたり』シリーズや、チェ・ガンヒと共演のドラマ『推理の女王』シリーズなど、ここ数年は個性的な“相棒”と組むことでより輝きを増してきた彼らしく、今作でも、反発しながら徐々に信頼を深めていく記者サムスとのコンビネーションが楽しい。

クォン・サンウ

サムスを演じているのは、映画を中心に活躍してきたペ・ソンウ。さらに、アクシデントで彼が降板して以降は、11年の『パダムパダム〜彼と彼女の心拍音〜』以来、10年ぶりのドラマ出演が話題となったチョン・ウソンが登場する。それまでのキャラクターに合わせたハイテンションの演技に注目してほしい。また、チョン・ウソンの親友として知られるイ・ジョンジェもドラマ『補佐官』で演じた政治家役でカメオ出演し、世界を席巻した『イカゲーム』とはまったく違う精悍な姿を見せている。

チョン・ウソン

パク・ジュニョン弁護士が実際に担当した事件をモチーフとした数々の事件と裁判の行方も見どころだ。ドラマの最初に登場する青年3人組の事件は‘99年に全羅北道のサムレ村で発生し、‘16年に再審、無罪となった「サムレ・ナラスーパー強盗致死事件」、トラック運転手殺人事件は、‘00年に起きた「ヤクチョン五差路タクシー運転手殺人事件」を元にしている。また、こうした事件の裏側に、裁判所や検察といった法曹界や政界、さらにはマスコミまでも巻き込んだ“既得権力”の欲望が浮かび上がっていく展開からも目が離せない。ソウル市長から大統領を目指す政治家や、検察から一気に大統領になろうと画策する検事といった実在の人物を思い起こさせるキャラクターをキム・ガプス、キム・ウンス、チョン・ウンインら、韓国を代表するベテラン俳優たちが貫禄たっぷりに演じている。

キム・ガプス
キム・ウンス
チョン・ウンイン

濡れ衣を着せられた人々の側に立ち、不屈の精神で巨大権力と闘う弁護士テヨンと記者サムス。“正義”だけを武器に立ち向かおうとする彼らの姿には拍手を送らずにはいられない。

 

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©SBS
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