毎年放送される多くのロマンス時代劇の中で、激動の時代を背景に描かれる激しい権力闘争や愛と復讐の行方が人気を呼んだ『風と雲と雨』。パク・シフの9年ぶりの時代劇復帰作としても話題の本作の見どころをお届け。
19世紀後半の朝鮮時代末期。名家の息子チョンジュンは、巫女の娘ボンリョンと恋に落ちる。だが、時の国王・哲宗でさえも顔色をうかがうほどの権力者キム・ビョンウンが、未来を予見するボンリョンの不思議な能力に目をつけたことから、彼らは離ればなれに。
5年後、思いがけなく再会して喜んだのもつかの間、チョンジュンの父がビョンウンの差し金で船の爆破事件の首謀者の濡れ衣を着せられ、ボンリョンに一方的な思いを寄せる友人のインギュに殺害されてしまう。復讐を誓ったチョンジュンは修行を積んで一流の観相師となって都へ。ビョンウンらキム家から政治の実権を取り戻そうと暗躍する王族イ・ハウンと出会い、チョンジュンは王位を巡る権力争いに身を投じていく。
パク・シフの多彩な魅力を堪能できるドラマ
観相師と霊能力者という、今までにない組み合わせの主人公カップル、チョンジュンとボンリョン。架空の人物である彼らが、実在の人物に絡んで繰り広げるドラマチックな物語が初回から見る者を引きつける。チョンジュンを演じたパク・シフは序盤では名家の子息としての優雅な姿を、その後は歴史を陰で動かすキングメーカーへと変貌していく様子を迫力ある演技で見せて魅了した。人の運命を見抜くチョンジュンの射抜くようなまなざしや、武術にも長けた彼が見せる鮮やかなアクション、ボンリョンだけに向けた愛にあふれる表情などから、パク・シフのあらゆる魅力が堪能できる。
異色とも言える主人公を演じるために気を遣った点について、パク・シフは「人の心を見抜くためには余裕がないといけないと思います。そんな余裕が感じられるように、チョンジュンらしく自信をもってまなざしの演技に気を配りました。また、時代劇ということもあり、男らしい役なので、声にはかなり気を遣いました。今回は特に発声に力を入れたつもりです」と語っている。相手役となったコ・ソンヒについても「お若いですが、出演作も多く経験豊富でした。演技もうまくて余裕がありました。特にラブシーンは息も合っていたんじゃないでしょうか。よく配慮してくれて、良い化学反応が生まれたので、二人の場面は美しく映っていたと思います」と振り返った。