いきなりの本格登山がNGな3つの理由
近所の2〜3時間ハイキングコースからデビューすべき理由は、大きく3つあります。
1. 子どもも、ぶっつけ本番は危険
登山、トレッキングは、体力よりも “経験” に占める割合が大きいアクティビティです。
たとえば、私と妻がはじめて富士山に登ったとき、疲労困憊で、往復13時間も掛かりましたが、シニアで(アマチュアにもかかわらず)、半分近い所要時間で登り降りしてしまう人も、珍しくありません。
普段とは異なる環境で、いつもと違った身体の使い方をするのが、山登り。
疲れないペースで、安全に山歩きをするには、どのように身体を使えばいいのか。
どういったときに、どこまで頑張れるのか。
大人はもちろんのこと、子どもも、失敗できる環境での “慣らし” が必要です。
また、衣服やリュックサック、場合によってはトレッキングシューズなど、登山用品を新調するかもしれませんが、これらも試す必要があります。
たとえば本格的な山の中で、靴ずれしてしまったら、立ち往生するハメになります。
2. 子どもの“山歩き体力”を把握
幼児など低年齢の子どもは、気分が乗らないと、まったく歩かないケースがあります。
我が家の場合、子どもたちが5歳・3歳のときに、山歩きをはじめました。
当時3歳だった息子は、駅から山道までの10〜15分くらいの舗装路では、ちっとも歩かず、「抱っこ!」を連発していました。
ところが、山道に入ると一変。
自分の身長よりもある段差を、木の根を掴んでよじ登るなど、急に疲れ知らずになり、結局、ゴールまで歩ききりました。
こんなふうに、体力の問題とは別に、その子の個性によって、どういったときに歩く・歩かないという傾向があります。
これを掴んでおかないと、思ったよりも歩いてくれなかったときに、パパ・ママに余裕がなくなり、「子どもに嫌な思いをさせることなく、山登りの魅力を実感させる」が難しくなってしまいます。
3. 「せっかくきたのに」はイライラの元
首都圏在住の場合、本格的な山登りをするためには、車で1〜2時間は走らなければならないケースが大半かと思います。
遠方まで出かけるとなると、どうしても、
「貴重な休みに、いい体験をさせてあげようと思って、せっかくここまできたのに……」
という思いになりがち。
これもやはり、パパ・ママの心の余裕を失わせる要因になります。
いつでも来られる近所のハイキングコースでのデビューであれば、今回は歩き切れなくてもいい、おおらかに構えていられますよね。