この絵本の水先案内人はラリー。紫色の変なやつです。

このラリーが、子どもを挑発するわけです。押しちゃダメと言いながら、

「でもすてきなボタンだね
おしちゃったら いったいどうなるんだろう……」

なんて言い出すのです!

かと思ったら、次のページでは、

「だめだ! できない!
ぜったいにダメだ!」

と言ったり、さらに次のページでは、誰もみていないからちょっとだけ押しちゃいなよ、とけしかけるのです。

この誘惑にあらがえずにボタンを押してしまう子どもの姿が、目に浮かぶようですね!

奇想天外の展開に子どもは大喜び

ついに押された禁断のボタン!

いったいなにが起こるのか、とあせってページをめくると、なんとラリーのからだの色が変わってしまう…という謎の展開!

その後も、起こること起こること、はちゃめちゃなことばかり。

ラリーを元の姿に戻すために、絵本を振ったり、こすったり、子どもはいろいろしなくてはなりません。いわば参加型絵本なのですが、子どもはそういったことを、むしろ自発的にやりたくなるでしょう。

ノリノリでボタンを押しまくる子もいれば、ボタンを押した後のことを考えて慎重になる子もいて、それぞれの楽しみ方ができると思います。

まとめ

ストーリー自体がすばらしい絵本もあるでしょう。読み聞かせをすると、子どもが集中して聴き入るような絵本もあるでしょう。

ですが、今回ご紹介した絵本は、けっしてその類の本ではありません。むしろ内容的にくだらないナンセンスの部類に入るものです。ですが、子どもにとっては、それがなにより面白いのです。

それに、普段は禁止の言葉ばかり言うママが、ラリーになりきって、押してはいけないボタンを押しちゃえ、とけしかけてくるのですから、おもしろくないわけがありません!

また、普段集中力を欠くような子どもでも、この絵本なら食いつきがいいのでは、と思います。

絵本は親子にとって、最高のコミュニケーションツールです。

一緒に笑って、からだを使って楽しめるこの一冊、ぜひ、親子のスキンシップに役立ててみてはいかがでしょうか。