僕の自己肯定感は75%くらいです

撮影/友野雄

俳優は、作品ごとにタッグを組む相手も違えば方法論も異なる。過去の成功体験が次の現場で通用しないのが、俳優業の難しさだ。

そんなふうに一定期間でめまぐるしく環境が変わっていくこの仕事において、瀬戸康史が自信を持って現場に入るために実践していることは何だろうか。

「人と話すことです。結局、自分にとって居心地のいい環境をつくることが大事だと思うんです。そのためには、いろんな人と話すのがいちばん。話す内容なんて何でもいいんです。

たとえば待ち時間の間に、そばにいた照明部の方に『今日は暑いっすね』と声をかけたり。そうやって少しずつ自分がいやすい環境をつくっていくことで、自分もいい状態でいられるのかなと」

ここでもやっぱり大事なのは、小さなことの積み重ねなのだ。

撮影/友野雄

ちなみに、自分の可愛らしさを受け入れられるようになったと言うが、過去の自分の映像や写真を見返すことはあるのかと聞くと……。

「それはしないです。やっぱり恥ずかしいです(照)」

そんな照れ屋なところも、いつまでも変わらない彼の魅力だ。自分のコンプレックスも欠点も受け入れ認める。そうやって自信を身につけてきた。今、自身の自己肯定感をパーセンテージで表すならどれくらいだろうか。

「え〜。(考えて)…75%くらい?」

ここで100%じゃないところが、瀬戸康史らしさなのだろう。

「わからないですけど、自己肯定感が100%だと自己中な人間になってしまいそうで……。アーティストの方だと、そこまで振り切ってもいいのかもしれないけど、僕がそうなってしまうのは違うのかなと。

そもそもそこまで人としてできているわけじゃないというか。基本的には、自分ごときが……と思ってしまう人間なので、75%くらいがちょうどいいんです」

慢心はせず、過剰に自虐もしない。程よく自分を肯定できるようになった瀬戸康史は、やっぱりとってもいい顔をしていた。

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