©2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
“クズ男”を引き寄せてしまう4人の女性の恋愛模様を描く、映画『もっと超越した所へ。』が10月14日（金）より公開。
劇作家・演出家として注目される根本宗子が手掛けた舞台作品を映像化した本作は、4人の女性とその相手である“クズ男”たちのエピソードがそれぞれに展開。菊池風磨は、前田敦子が扮するデザイナーの真知子の家に転がり込む“ヒモ”の怜人を演じる。
怜人は、真知子のことを気づかっている様子を見せながら真知子の家に居つき、甘え上手なところも発揮してそのポジションが安定してくると、真知子への束縛も行うという正真正銘の“クズ男”。
Sexy Zoneとしての活動はもちろんのこと、テレビのバラエティ番組やYouTubeでも活躍し、今年はドラマ、舞台、そして今回の映画と、俳優業も積極的に行って活動の幅をどんどん広げていっている菊池自身とは正反対のキャラクターとも言える。
だが観ていると菊池本人が「怜人なのでは？」と思ってしまうほどのリアリティがあり、菊池が醸す絶妙な可愛さも相まって、“ダメ男”に愛おしさを感じてしまう。
本人も「共感できるところがない」と言い切る怜人を、どのように理解し、演じていったのか。クレバーな菊池らしい解釈も明かしつつ、語ってくれた。
怜人にだけ共感できるところがない
©2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
――怜人は“クズ男”と呼ばれるようなキャラクターですが、出演オファーを受けたときはどう思いましたか。
キラキラしているような役もいいんですけど、よりリアルというか、生々しさがある役もやってみたいとずっと思っていたのでうれしかったです。
――怜人に対して、客観的にどんな印象を持ちましたか。
怜人はヒモですから。ダメですよね（笑）。元カノからお金をもらうとか、ダメな部分が多すぎて。経済的な部分がまるでダメですし、社会に適応していないし、よろしくないなと思います。逆に“わかる”って思うような部分がないです。
――真知子に対して、「ノーブラでコンビニへ行かないでほしい」と言う場面もありますが、そういった独占欲的な心情はどうでしたか。
僕、女性の服装に関しては、自分がいいならいいんじゃないっていう感覚なので、それも共感できなかったですね。
――では、怜人の他に出てくる男性3人、泰造（オカモトレイジ）、慎太郎（三浦貴大）、富（千葉雄大）についてはどう思いましたか。
この3人は何となくわかります。同じ仕事をしている彼女に対して、自分よりうまくいっていることをやっかんでしまうこととか。あんなに露骨には出さないですけど、悔しい気持ちはわからなくないです。
あとは子供ができたかもしれないと焦るところとか。あの反応は本当にクズですけど（笑）。
自分のことを好きでいてくれることを利用してしまう気持ちもわからなくもない。相手からの好きという気持ちに対して甘えてしまうことは、多かれ少なかれあるんだろうなとも思えます。
だから逆に怜人にだけ共感できるところがなくて。自分でもよく演じきったなと思います（笑）。
