僕にもクズ男のポテンシャルがあるのかも(笑)
――そんな怜人をどのように演じたのでしょうか。
なんかもう“そういうもんだ”と割り切っていました。“自分はクズ男なんだ”って。ただ自分とは真反対の人間だったからこそ、逆に役作りはいらなかったかもしれないです。
微妙にすり合わせるようなこともなく、完全に自分とは別ものとして捉えられたので、考えすぎずにできました。
あとは真知子に甘えられるだけ甘えてみようと思っていたかも。僕は普段は甘えるタイプではないんですけど、役だから、仕事だから甘えられる。自分では絶対にできないことをやれる面白さはありました。
ここまで自分のすべてをさらけ出して、甘えるに全振りするなんて自分では考えられないけど、できたら楽なんだろうなとは思いました。やるのは嫌だけどね、俺は。でもできる人は幸せだなとは思いました。
――怜人というキャラクターにすごくリアリティを感じたのですが、参考にした人などはいたのでしょうか。
特にいないです。だから表裏一体で、僕にもクズ男のポテンシャルがあるのかもしれないです(笑)。
――山岸聖太監督とは怜人についてどんな話をしましたか。
本当にクズ男でどうしようもないけど、可愛げは残したいと。どこかで許しちゃうような、女心をくすぐる可愛さや弱さを見せたいという話はしていただきました。
“今のはちょっとクールすぎるかな?”とか、カッコつけるのではなく、あくまでどうやったら怜人が可愛く見えるかを相談しながら作っていきました。
――ご自身が演じた怜人を客観的に観たときはどう思いましたか。
ツッコミどころが多いですよね(笑)。“そんな格好で、そんなこと言う?”みたいな面白さもあって、そこら辺が僕はツボでした。
真面目に理不尽なことを言うとか、論理が破綻しているとか、あそこまで突き抜けると同性から観ても可愛いと思えたり、憎みきれなかったりしますね。
“クズだな”と思いつつも、笑って“クズだな~”って言える愛嬌があるキャラクターにはなれているかなと。自分でもクスクスと笑えるところが多かったです。