NG子育てをしてしまったら、思春期にやり直しを

3歳頃までの乳幼児期の子育ては、子どもの恋愛だけでなく人格や人生を左右する重要なミッションなのですね。

ただ、具体的なNGポイントを知ると、「子どもが赤ちゃんの頃は忙しくて、よく泣かせっぱなしにしてたかも」「あの頃は精神的に不安定で、毎日子どもにガミガミ言ってたかも…」などと、過去を振り返って不安になるママもいるはず。

すでに乳幼児期をすぎていて、これまで無意識に前述の1から3のNG子育てを繰り返していたという場合、取り返しはつくのでしょうか?

高橋「乳幼児期に子どもを安心させてあげられなかった場合、子どもは心身が緊張した状態で育つので、ストレスが強くなり、思春期に、たとえば不登校や摂食障害などの形で表れることがあります。

思春期に問題を起こすことで、乳幼児期に求めて得られなかったことを再び得ようとすることが多いのですね。

ですので、そんなときは、親が思春期の子どもの気持ちに寄り添って、どんなことがあっても味方をする、心からサポートするという姿勢を見せることが肝心です。

そうすれば、『人が怖い』と無意識に思い込んでいた子も、『自分の味方をしてくれる人はいる』『わかってもらえる』『孤独ではない』というように、思い込みを修正していけます」

両親の夫婦関係が子どもの恋愛に大きく影響する

気をつけたいのは育て方だけではありません。ほかに、ママとパパの普段の夫婦仲も、子どもの恋愛傾向に大きく影響するそうです。

高橋「たとえ派手なケンカをしなくても、両親が、互いに思いやりを持っていなかったり、本心を言わずに不平不満をため込んで我慢していたりすると、子どもは敏感にそれを感じ取るものです。

幸せでないカップルの元で育った子どもは、結婚や恋愛にネガティブな印象を持ち、恋愛をしない選択や家族を持たない選択をするかもしれません。

夫婦関係で最も大切なのは、本心を相手にちゃんと伝えることと、互いに思いやりを持つこと。自分の気持ちと相手の気持ちを、どちらも尊重する必要があります。

核家族化が進んだ現代では、両親のあり方が、子どもの恋愛や幸せにダイレクトに影響しがち。家事を多少手抜きしてでも夫婦のコミュニケーションの時間を増やして、互いを思いやるよう心がけましょう」

ママは子どもの恋愛や人生をコントロールすることはできませんが、子どもにはできる限り周囲の人と信頼し合える関係を築いて、好きな人と幸せになってほしいですよね。

高橋さんのアドバイスを参考に、夫との関係性も含め、今の家庭が子どもを安心させる環境かどうか、見直してみてはいかがでしょうか。

今回は、子育て中のママ向けのアドバイスを聞きましたが、高橋さんの著書『恋愛低体温症』では、うまくいかない恋愛に悩む女性たち向けに、悩みの原因と幸せになる方法が詳しく解説されています。

ママ自身の過去の恋愛のナゾも明らかになるかもしれませんよ。

【取材協力】 高橋リエ

母娘*謎解きカウンセラー。都内メンタルクリニック勤務を経て、2012年より、機能不全家族で育った女性たち向けにカウンセリングサロンをスタート。

「無意識の思い込み」に気づき「本当の自分」に目覚める「自分再生*リバースカウンセリング」を軸に、サロンのほか、ワークショップや各種講座を主催。無料メルマガ「母と娘の心の謎を解くメールカウンセリング」の会員は海外まで広がり、3年で5,000名を超える。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。